EGOIST、活動終了に寄せて バーチャルアーティストシーンに与えた影響と足跡を辿る

バーチャルライブの先駆けに

 現在では当然のように受容されているバーチャルアーティストによる3DCGのライブだが、EGOISTはその先駆けとして歴史に名を刻んでいる。2014年、当時では最新鋭とされたモーションキャプチャを使用したライブを開催。確かな歌唱力で魅せながら映像技術を駆使し、大団円となった。

EGOIST LIVE on BD 2020+1 chrysalizion code 404 : side-by-side Digest

 それに続くように2016年頃よりVTuberブームが到来。2019年にはバーチャルアーティストらによる音楽・トークライブフェス『VTuber Fes Japan』が開催され、ファンを熱狂の渦に包み込んだ。また、2022年8月には花譜がバーチャルシンガー史上初となる武道館公演を成功させ、バーチャルシーンに新たな伝説を残した。

 こうしたバーチャル文化台頭の背景には、EGOISTの挑戦によって提示された新たな可能性も関わっている。非現実的な存在でありながら、その一挙手一投足は生身のアーティストと変わらない。まさにバーチャルと現実の壁を溶かした“当事者”であることは間違いないだろう。

EGOIST『当事者』Music Video(『劇場版PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』エンディング・テーマ)

 冒頭で触れたとおり、2023年9月・10月には、ラストライブとなる『EGOIST LIVE 2023 Fleeting Ruby “The Crescendo”0923 OSAKA』『EGOIST LIVE 2023 Resonant Indigo “Echoes of Everlasting”1009 YOKOHAMA』が開催される。激動の時代を生き、シーンに革命を起こしたEGOISTの行く末を、最後まで見届けたい。

※1:https://www.egoist-inori.jp/news/archive/?555299
※2:https://www.lisani.jp/0000203998/?show_more=1

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