アーティストの新しい扉を開くケンモチヒデフミの楽曲 リスナーに驚きを与えるプロデュースワークの特徴を考察
彼の楽曲の魅力はサウンドだけに留まらない。タイトルや歌詞に魅力を感じる人も多いだろう。とくにラップ調の言葉遊びは多くの曲で使われており、ano「スマイルあげない」にもしっかりと組み込まれている。
しかし、ケンモチ自身は、すべての歌詞にこだわりをもっているわけではないというのが驚きだ。身の回りでふと感じた面白いと思う感情をそのまま言葉にしているケースが多いようだ。例えば、個人名義で制作した「Tiger Balm」は、テーブルに置いてあった同名の薬品から取ったという。拍子抜けするほどのシンプルさに、圧倒的に練り込まれたメロディが乗り、誰も聴いたことのない曲が完成していく。
また、ケンモチのプロデュース力を感じ取るためには、アーティストとの関わり方にも着目するべきだろう。提供する曲の方向性を定めていくために、なによりもコミュニケーションを大事にしている。
7月5日にリリースした花譜とのコラボ楽曲「しゅげーハイ!!!」は、まさにコミュニケーションから生まれたもの。花譜へのインタビューのなかで、手芸に力を入れている情報を入手し、曲ができあがったという。アーティストと共に楽曲を作り上げる姿勢に、ケンモチヒデフミの作曲へのこだわりが感じ取れる。
私たちリスナーはこれからも、ケンモチヒデフミがプロデュースする予測不能な音楽に翻弄され続けるだろう。
※1:https://spincoaster.com/interview-hidefumi-kenmochi
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