浪漫革命、HOME、細井徳太郎、SUKEROQUE、レトロリロン……注目インディーズアーティストによる夏を彩る新曲たち

SUKEROQUE「COOL CHINESE」

 シンガーソングライターのSHOHEIが、作詞・作曲・アレンジを行うソロユニット SUKEROQUE。7月からの連続リリース第2弾として配信された「COOL CHINESE」には、ファンキーなロックナンバーとしての魅力が凝縮されている。真夏の象徴=冷やし中華を食うか食わないか、という心情を歌った一見コミカルな曲だが、どことなく哀愁漂う〈Give me one more chance〉のコーラスを聴き続けていると「今年の夏の恋を逃したくない」という歌にも思えてくるから不思議だ。開始10秒でギターが大きく唸りを上げたかと思えば、ラップ歌唱、伸びやかな高音歌唱、そしてコーラス調のサビに突入するという1番の展開だけでも、SUKEROQUEの豊かなバックグラウンドがよく伝わってくる。間奏のカッティングギター、アウトロのギターソロまで曲名通りクールに決まっていて、ライブでの爆発力にも期待したいサマーチューンだ。

【MV】COOL CHINESE / SUKEROQUE

レトロリロン「ヘッドライナー」

 コロナ禍真っ只中の2020年に東京で結成された4人組 レトロリロン。この新曲「ヘッドライナー」や、MVが50万回以上(8月中旬現在)再生されている「深夜6時」を聴くと、BUMP OF CHICKENやRADWIMPSといったロックバンドからの色濃い影響を感じるものの、レトロリロンの音作りにエレキギターは登場しない。ゆえにピアノの音像が非常にクリアに響くが、Suzune(Vo/Ag)の芯の強いソウルフルなボーカルも相まって、かえって彼らの“ロック”ぶりが強調されているのが面白い。「ヘッドライナー」で歌われていることもロックやパンクと親和性の高いものであり、少年少女から大人になる中で、“普通”に押し込まれることへの反骨を声高に叫ぶ。現実がどんなに巨大になっていこうと、トリ=ヘッドライナーとして最後の決断をするのが自分自身だという真実は変わらない。音大の同級生だという4人の申し分ない演奏、そしてポップなメロディに乗せてメッセージが放たれることで、人生に足踏みしている多くの人にとっての大切な歌になっていくことだろう。

レトロリロン - ヘッドライナー(Official Music Video)

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