NMB48 渋谷凪咲、STU48 瀧野由美子、NGT48 中井りか……同世代で立て続く卒業 25歳前後に訪れるアイドル人生の分岐点

 NMB48の渋谷凪咲が8月7日、チームNの劇場公演『夢中雷舞』でグループからの卒業を発表した。近年のソロでの大活躍から「いつ卒業してもおかしくないのではないか」と誰もが感じていたはず。それでもやはり卒業発表時には驚きの声、惜しむ声が挙がった。

 筆者も当日、現地で取材していた。そこで話を聞いた渋谷ファンの女性は「忙しいのにNMB48で長く活動してくれて、本当にありがとうございました」と労いのメッセージを口にした。またメンバーの小嶋花梨も「ずっと光を灯し続けてくれて、NMB48のために、凪咲さんのために素敵な背中を見せてくれて本当に感謝してます」と伝えた。その多忙さは誰の目にも明らかだった。そしてそんな渋谷の活躍は、NMB48全体に好影響を与えていた。

 2023年、ドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)へ出演した渋谷はスピーチで「密かに抱いていた夢」として演技の仕事について触れ、「お芝居は本当に難しくて、できないことであふれているはずなのに、毎日すごく楽しくて心がワクワクしていました。それと同時にこの場所でもっとたくさん経験して、勉強して、成長したいって強く思いました」と今後は演技にも本格的に取り組む姿勢を見せた。確かにソロとしてあれだけの数のバラエティ番組などへ出演し、さらにグループ活動も両立させていれば、時間の拘束が長い映画、ドラマ、舞台の現場に入ることはかなり難しい。

 渋谷の卒業は、NMB48のファンにとっては寂しい限り。ただそれは、さらなる飛躍につながる判断であったことには違いない。

渋谷凪咲、瀧野由美子、中井りかの卒業年齢

 渋谷は8月25日で27歳を迎える。AKB48グループの近況としては、7月29日にSTU48からの卒業を発表した瀧野由美子が9月24日で26歳、8月末をもってNGT48を卒業する中井りかは8月23日で26歳を迎える。

 いずれも誕生日にほど近い時期に将来を見越した決断を下している。偶然と言えば偶然かもしれないし、意味があるようにも思えたりする。なにより25歳という誰にとっても区切りである年齢を過ぎ、30歳という次のステージへ向かう大事な時期で卒業を迎える(迎えた)のは、重要な論点ではないだろうか。

 アイドルに限らず、たとえば社会人であっても25歳あたりは「最初の分岐点」である。大卒の多くは社会人3年目にあたる。「さあこれから」という人もいれば、3年目を転職期とし、第二新卒(学校卒業後3年以内の人を指した転職活動)に向けて動き出す人もたくさんいる。そうやって「30歳になった自分像」を作り上げていく。そういう意味でも「分岐点」なのだ。

 渋谷が今後の活動として俳優業を視野にいれたのはある意味「転職」と言えるし、瀧野がX(旧Twitter)で「芸能界は引退しません!」と投稿したのも、自身にとって次なるチャレンジを目指す宣言だった(※1)。中井も今後、その発信力の強さを生かした物事に取り組んでいくのではないかと推測できる。時期的な部分も含め、社会人として「最初の分岐点」を迎えた多くの25歳前後の若者同様、「新しい世界も見てみよう」という考え方が強まったのではないか。

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