STU48 瀧野由美子、グループの顔として駆け抜けたアイドル人生 愛され力とバラエティ力で次のステージへ

 STU48の瀧野由美子が7月29日、神戸・AiiA 2.5 Theater Kobeで行われた『STU48 全国ツアー2023』の初日公演に出演し、グループ卒業を発表。瀧野はSTU48の不動のセンターとしてグループの名を全国に広めた立役者であり、ファンからの人気も高く、メンバーからの信頼も厚い主柱的な存在。卒業発表後のSNSにはファンからの様々な声が溢れていた。

 瀧野は山口県出身の現在25歳。学生時代は吹奏楽強豪校でサックス漬けの高校生活を送り、広島の音楽大学へ進学(後に仕事が両立が難しく中退するも、昨年再受験し大学に合格している)。小学生の頃からアイドルを志していたようだが、行動に移したのは大学進学で広島に移住したタイミング。瀬戸内の7県を拠点とする国内6番目のAKB48姉妹グループ・STU48ができるということで、STU48第1期生オーディションに応募し、合格。2017年3月1日にSTU48の正式メンバーとして公表される。

 2017年5月31日にAKB48の48作目のシングル『願いごとの持ち腐れ』劇場盤のカップリングに、STU48初のオリジナル楽曲「瀬戸内の声」が収録され、瀧野が初センターに抜擢。脇を固めるのが当時STU48に兼任していた指原莉乃、岡田奈々。そんな人気メンバーに支えながらもSTU48のエースとしての第一歩を踏み出した。

 そして2018年1月31日発売のメジャーデビューシングル曲「暗闇」のセンターに選ばれ、それ以降もシングル表題曲9曲中7回センターを務める。また、2017年11月22日リリースのAKB48の50thシングル曲「11月のアンクレット」で初めてAKB48のシングル選抜メンバーに選出され、『NHK紅白歌合戦』にAKB48として3回出場し、次世代メンバーとしても注目を集める。2019年には坂道AKBの「初恋ドア」にも選抜されるなど、瀧野がSTU48の代表としてグループに還元したものは大きかったと言える。

 瀬戸内と東京を行き来し、自分をきっかけにSTU48をもっと世間に知ってもらいたいという強い思いが彼女の原動力。グループの立ち上げから中心に立ち続け、STU48を背負い先頭を走り続けてきた功労者だ。現在更新中の登録者129万人のテレビ朝日公式YouTubeチャンネル『動画、はじめてみました』では、にんにくチューブを直飲みするほどのにんにくに対する偏愛ぶりから、オリジナルコンテンツの冠番組「にんにくマン瀧野の活動報告」をスタート。アイドルがにんにく山盛りのラーメンや焼き肉を食す、そのニッチな映像は新たなファン獲得に繋がっている。また、同番組にはSTU48の他メンバーをゲストに呼ぶなど、まだ全国区ではないメンバーを世間に広めることにも一役買っている。

 その人気の理由は、瀬戸内のイメージを体現したような透明感のあるルックス、自他共に認める天然キャラで、ほのぼのとした素朴な人柄は親しみやすさがる。ただ、センターへの思いや責任感は人一倍強く、STU48の顔としてコメントが求められる中、丁寧に言葉を選び、しっかりと自分の意見を言えるところがエースたるゆえん。卒業発表後には、X(旧:Twitter)にメンバーから感謝の言葉が多々投稿されていた。

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