超特急、さらに進化した9人で迎えた“8号車の日” 「僕たちを、僕たちでいさせてくれて、ありがとう」

超特急「8号車の日」に迎えたツアーファイナル

 8月8日“8号車の日”、超特急が東京ガーデンシアターにて『BULLET TRAIN Spring Tour 2023「B9 Unlimited」』のファイナル公演を行なった。

 会場が暗くなった途端大きな歓声が巻き起こり、ライブがスタート。オープニングVTRが流れると黒い衣装に身を包んだメンバーが表れ、タクヤ、リョウガ、アロハ、カイ、マサヒロ、シューヤ、タカシ、ハル、ユーキの順にダンスを披露。ステージ上の階段を降り、9人揃って踊ってみせるとさらに歓声は大きくなった。まずはクールでセクシーな「MORA MORA」で完成度の高いダンスを見せつけていく。センターにいたユーキが見せたダンスブレイクは、一瞬であったが確実に会場の心を掴んでいたはずだ。暖簾のように向こうが透けて見える幕が降りてくると、「KNOCK U DOWN」へ。赤と青の照明で作られた世界観の中で9人が見せるパワフルなパフォーマンスに目が釘付けになっていく。続く「Beasty Spider」では途中スクリーンに映し出されたトランプがメンバーカラーに変わり、1人ずつソロダンスをパフォーマンス。それに合わせるかのように、会場のペンライトもより一層大きく揺れていった。イントロが流れた瞬間、さらに歓声が大きくなったのは「Kiss Me Baby」。クラップも巻き起こり、ここまで上がり続けてきた会場のボルテージも天井知らずに突き抜けていく。

 ここでMCタイムへ。改めて1人ずつ自己紹介をし、リョウガが「今日しか味わえない貴重な時間を過ごせる〜?」と緩く会場に問いかけると、「イエーイ!」というやや控えめなレスポンスが会場から返ってくる。「その振りにしては乗ってくれた方」とカイがツッコミが入ると、気を取り直して再び会場を煽るリョウガ。「今日は暑いですね。健康的に楽しめる〜?」とまたもや絶妙なテンションで笑いを誘っていた。「俺、コールアンドレスポンスには向いてないようです。引きオタニートには無理です」というリョウガからバトンタッチされたのは、アロハ。指名をうけると「陽キャにやれ、と。そういうことかな?」と自称し、再び会場は笑顔に包まれた。

 アロハのコールアンドレスポンスで盛り上がったところで、「Winning Run」へ。90’sのR&B調なキャッチーなサウンドに思わず体が動いてしまった人も多いはずだ。続く「No.1」でも会場は大盛り上がり。〈Just wanna No.1 No.1 No.1〉に合わせてペンライトが上がり、一体感を増していった。青とピンクのグラデーションになっている衣装にチェンジして披露したのは、「Thinking of You」。クールダウンするかのようなスローなグルーヴが広がっていくと、天井からシャンデリアが登場。「シャンディ」で、バックボーカルの2人が階段に腰を掛けて美声を聴かせていく。窓枠のオブジェクトが表れ、メインダンサーたちが夜の室内で踊っているかのような景色が広がると、「Before Dawn」へ。タカシとシューヤのハーモニーにエモーショナルなダンスが乗ることで、楽曲の世界観がさらに色濃く出ていた。

 MCでは、シューヤがツアー中の忘れられないエピソードを披露。大阪公演が終わった後、なんとタクヤは送迎の車に乗れずに会場に置いていかれてしまったそう。タクヤ曰く「一番最初に車に乗ろうとしてたんですよ。まだ車が来てなかったから待ってたんですけど、まあまあ真っ暗で。置いていかれました」とのこと。しょんぼり話す彼の姿が微笑ましい。さらに、カイとタカシが担当した衣装についての話も。カイは黒の衣装とグラデーションの衣装を担当。「1着目の黒い衣装は『MORA MORA』からの『B9』の世界の引き継ぎ。この衣装(グラデーションの衣装)は、ユーキが考えてくれた、『Thinking of You』から『Before Dawn』って夜から朝にかけて時間が経過していくっていうセットリストの世界観を引き継ぎまして。肩のところは夜、朝焼けに向けて時間が経過していくという衣装にしました。1着目が黒だったので、色をまとうなら何色がいいんだろうって話した時に、1番最初に着る衣装は8号車(超特急ファンの総称)のピンクがいいんじゃないかなということで、この衣装にさせていただきました」と、衣装に込めた思いを語る。タカシも「この後の衣装なのであまり具体的なことは言えないけど、僕が愛している一つのアイテムがありまして。それをベースにして、フォーマルな衣装とは真逆のよりパフォーマンスに映えるであろう服装をそれぞれのメンバーにあったものを考えさせていただきました」と語るも、顔にラメついていることをハルから指摘される。それを取ってもらうという微笑ましいやり取りも飛び出していた。

 ハルとマサヒロによるお決まりの関係者いじりを経た後、タカシが担当したというデニムの衣装へチェンジ。「Typhoon」でライブ後半戦をスタートさせる。メインダンサーたちのラップも決まり、再び会場が熱を帯びたところで、勢い溢れる「NEW WORLD」へ。続けて大きな歓声とともに「Summer love」が飛び出すと、観客たちの掛け声とクラップもバッチリ決まっていく。ワクワク感がたっぷり詰まった「ラキラキ」と続き、ハッピーな空気が広がっていく。ラストに9人が集まってぐるぐると回り続けると、リョウガから「長ーい!」というツッコミが入る。

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