DOBERMAN INFINITY、盟友 BACHLOGICとの再タッグで“原点回帰”へ 今だからこそ書けた自由で深みのある歌詞とは?

「この年代じゃないと出せないヒップホップもある」

――前作『LOST+FOUND』はコロナ禍に制作されたアルバムということもあって、パーティチューンも、普遍的な愛や仲間の大切さを歌った曲もあって、多岐に渡ったトピックを取り上げていました。一方、今回のEPでは、ストレートなラブソングはなくて、より自分に対して赤裸々なリリックもふんだんに盛り込まれています。楽曲のテーマはどうやって決めていったのでしょうか?

P-CHO:そこは結構、苦労しましたね。『LOST+FOUND』で全24曲を使って、DOBERMAN INFINITYとしての次のステップはやり尽くした感があったんです。今回、いざ「原点回帰」のようなプロジェクトをやるぞ、となった時に「何を歌うか」ということに関しては、メンバー間で時間をかけてディスカッションをしましたね。

SWAY:そうそう。曲ごとのテーマ出しは、めちゃくちゃやりましたね。

GS:今回はよりヒップホップ的要素満載で、ちょっと斜めから物事を見たテーマが多くなってるんですよ。例えば「West Side Story」という曲では、今までは「ストレートに愛を伝える」というテーマもあったんですけど、それを普通にやってもこれまでと同じになってしまう。なので、そこから変えていったんです。僕の中では、シャンパンの中にダイヤモンドが沈んでいくイメージが浮かんできて、それを原画のようにしてイメージを膨らませていきました。今の僕たちの年齢だからこそ書ける内容で作ってみたんです。

――EPの最後に収録されている「Flying Spur」はKAZUKIさんが歌う〈D.INCのPlaylist 流して山手通り/風を切るベントレー 噛み締めた伝説〉というリリックが印象的でした。かつ、皆さんのヴァースではこれまでの葛藤もリアルに描かれている。

GS:これは、リアルな話なんです。実際にEXILE HIROさんとご飯を食べに行かせてもらった帰りに、みんなでHIROさんのベントレーの中でDOBERMAN INCの曲を爆音で聴いた日があって、そこからインスピレーションを得て書きました。「HIROさん、僕たちはまだ変わらずここにいますよ」っていう意思表示のようなテーマがある曲で、仮タイトルは「This Is Me」ってつけていたんです。それを引き継いで、ラップの最後には〈This is me〉ってフレーズが入っているんです。

KAZUKI:この歌詞の〈D.INC〉というところは、メンバーにお伺いを立てずに自分で勝手に書いたんです。

GS:でも、そのフレーズがあったからこそ、この曲が成立してるし、意味が深くなっている気もする。書いて良かったんちゃう?

KAZUKI:よかった。この曲が一番早く書けたんですよ。唯一、今回の収録曲の中で(完成形が)見えていたというか、そんな手応えがある曲でした。

DOBERMAN INFINITY「Where we go 」MV

――改めて、皆さんにとってBACHLOGICさんはどんな存在、どんな人物でしょうか。

KUBO-C:何やろ……僕は同い年なんですけど、昔は色々教えてくれる先生のような、自分を成長させてくれた人なんですよ。自分のラップをブラッシュアップしてくれたのもBACHLOGICやし、かっこいいことをさらっとやるタイプ。アンテナも敏感で、同い年だけど尊敬しています。今は普通にフランクな感じで接しているんですけど、改めて、音楽のことになると「やっぱすげえな」って感じますね。

――DOBERMAN INFINITYは、ユニットとして「ALL ROUND HIP HOP」をテーマに掲げて活動しています。今の時代、J-POPもヒップホップからの影響が色濃く出ていますし、まさに日本全体が「ALL ROUND HIP HOP」的な価値観を共有しているとも感じるのですが、どうでしょうか?

KUBO-C:最近の音楽を聴いていると、いろんなジャンルをボーダレスにやっている人がめっちゃ増えていると思うんです。昔はヒップホップって狭い軸でやっていたものが、すごく大きく広がっていることが、日本の音楽シーンとしてはすごくいいことやなと思っていますね。

GS:ヒップホップって常に進化/変化している音楽でありジャンルだと思うんです。形が変わりながら可能性が広がって大きなマーケットになっていくのは、僕らからしてもワクワクする部分があります。かつては、ヒップホップ・アーティストがZeppツアーなんてなかなかできなかったけど、今はそれどころかアリーナのライブを開催できる時代だし、それはそれで喜ばしいことなんだろうなと。自分たちも、いろんな時代に跨ってヒップホップを経験してきたからこそ、改めて年季っていうか、この年代じゃないと出せないものもあるんじゃないかと思います。その立場から、ヒップホップ全体を盛り上げていきたいですね。全方位で世の中に広めていけたら嬉しいです。

DOBERMAN INFINITY『milestone』

■リリース情報
DOBERMAN INFINITY
Digital EP『milestone』
配信中

Streaming & Download
https://ldh.lnk.to/D.I_milestone

<収録曲>
1. Where we go
2. そんぐらいの事だぜ
3. Get it
4. West Side Story
5. OK All right / Fake Love
6. Flying Spur

■ツアー情報
『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2023 "DOGG RUN"』
<日程>
・9月1日(金)京都:ロームシアター京都 開場17:30/開演18:30
・9月5日(火)大阪:Zepp Osaka Bayside 開場17:30/開演18:30
・9月12日(火)東京:LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) 開場17:30/開演18:30
・9月18日(月・祝)北海道:PENNY LANE 24 開場15:30/開演16:00
・9月29日(金)福岡:福岡市民会館 開場17:30/開演18:30
・10月2日(月)愛知:Zepp Nagoya 開場17:30/開演18:30
・10月5日(木)埼玉:大宮ソニックシティ 大ホール 開場17:30/開演18:30
・10月9日(月・祝)三重:四日市CLUB ROOTS  開場15:30/開演16:30
・10月14日(土)広島:広島LIVE VANQUISH  開場16:00/開演16:30
・10月20日(金)兵庫:ハーバースタジオ 開場18:00/開演18:30
・11月4日(土)福島:郡山Hip Shop Japan 開場16:00/開演16:30
・11月7日(火)大阪:大阪国際会議場グランキューブ大阪メインホール 開場17:30/開演18:30
・11月13日(月)神奈川:KT Zepp Yokohama 開場17:30/開演18:30
・11月19日(日)山口:周南RISING HALL 開場15:30/開演16:00
・11月25日(土)山梨:甲府KAZOO HALL 開場16:00/開演16:30
・12月3日(日)香川:Festhalle 開場15:30/開演16:00
・12月5日(火)東京:Zepp Haneda(TOKYO) 開場17:30/開演18:30
・12月9日(土)石川:EIGHT HALL 開場16:00/開演16:30
・12月15日(金)愛知:日本特殊陶業市民会館 フォレストホール 開場17:30/開演18:30
<チケット料金>
・ホール
全席指定 ¥9,350(税込)
・Zepp
全自由 ¥8,800(税込)
※整理番号付き、入場時ドリンク代別途¥600
・ライブハウス
全自由:¥8,250(税込)
※整理番号付き、入場時ドリンク代別途¥600

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