山下智久、現在と未来を語る 5年ぶりのアルバムリリース、世界に出て強くなった“自分を信じる”という意識

山下智久が語る、現在と未来

常に持っている「広がれ」「世界に飛んでいけ」という気持ち

山下智久 山P 横顔 笑顔 インタビュー 撮り下ろし (撮影=伊藤惇)

――英語詞の楽曲が大半を占めていますが、やはり海外のリスナーにも届けたいという気持ちも?

山下:もちろん、「広がれ」「世界に飛んでいけ」という気持ちは常に持っています。8月、9月にコンサート(『TOMOHISA YAMASHITA ARENA TOUR 2023 -Sweet Vision-』)をやるので、いつか海外でもライブをやれたらいいなと思っていて。先日、映画の宣伝で韓国、香港、台湾、タイに行ったんですけど、どの会場にもたくさんの人が来てくださって、「待ってるよ」という温かい言葉をかけていただいて。コンサートは、直接みなさんとお会いして、気持ちをぶつけ合える場所なので、“日本からのプレゼント”として実現できたらなと思っています。

――海外での活動が増えることで、“日本のアーティスト”という意識も強まっている?

山下:普段はそんなに意識していないんですが、やっぱり日本で生まれ育ってますからね。両方の気持ちがあるんですよ。「日本人として恥ずかしくないように」というか、たとえば海外で一緒に仕事をした方に、「このあいだ日本人の俳優と仕事をしたんだけど、すごくよかったよ!」と言ってもらいたい気持ちもあって。日本人に対していい印象を持ってもらえたら、それが次に繋がると思うんですよね。その一方で、「縛られたくない」という思いもあるんですよ。

――“山下智久”という個人として存在していたい、と?

山下:なんだろう……僕にしか出せないものがあると思うんですよね。いろんな音楽が好きだし、旅をするのも好きで、そのなかで聴くもの、触れるもの、見るものが増えれば増えるほど、それが自分の個性やオリジナリティに繋がるのかなと。音楽も演技もそうですけど、自分の生き方や考え方がすごく影響する。だからこそ自然に、心が心地好いと感じることをやっていくほうがいいなって思うんですよね。

――ボーカルについても聞かせてください。前作から5年を経て、ご自身のボーカルの変化について、どう捉えていますか?

山下:どうでしょうね。ずっと音楽だけをやっているわけではないので、音楽に携わっている時は温まってる感じがするんですよ。でも、離れてる時期はちょっと熱は下がるかも。演技と音楽の両方をやらせてもらっているのはもちろんすごくありがたいことではあるんですけど、時々大変なこともあるので。

山下智久 山P インタビュー 撮り下ろし (撮影=伊藤惇)

――楽曲制作やレコ—ディングになると、モードが変わる?

山下:そうですね。理想としては「2023年は音楽だけ」「2024年は演技に集中」というほうが気持ち的に楽ではあるんですけど、そうもいかないので(笑)。

――同時進行は難しい?

山下:より難しくなってきましたね。年齢を重ねていくなかで、一つひとつをちゃんと掘り下げて、深さを出していきたいな、と。もちろん、出演作の楽曲を担当させてもらえるのはありがたいことですし、名誉なことなんですけどね。

――アルバム『Sweet Vision』を携えたツアーも始まります。

山下:たぶん2時間くらいのライブになると思いますが、なるべく長い期間、(来てくれる)その人の思い出に残るようなものにしたいと思ってます。“楽しい”とか“切ない”とか、感情の波を作って、いろんな場面を見せられるようにしたくて。幅が広いほうが面白いと思うので、なるべくコントラストや高低差をつけたいですね。

――さらに進化した山下智久が見られそうですね。

山下:どうですかね?(笑)。どういうところにそれが出てくるかはまだわからないですけど、5年前の僕とは違うので。いい表現に変えていけたらいいなと思ってます。あとはもう楽しんでもらって、いろんなものを一緒に発信して、心をクリアにできたらなって。

――声出しもOKですからね。

山下:ぜひ声を枯らしてほしいです(笑)。みんなの情熱をぶつけてくれたら嬉しいですね。

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