Hi-STANDARDはサポートを入れて『サタニック』出演、sumikaは3人でステージへ それぞれの形で活動継続するバンド

 今年の2月14日、Hi-STANDARDの恒岡章(Dr)が突然この世を去った。また同月23日にはsumikaの黒田隼之介(Gt/Cho)が逝去。どちらもあまりに突然の訃報だった。SNSはファンやバンド仲間からの驚きと悲しみの声で溢れかえっていたことも、まだ記憶に新しい。しかし両者ともバンドの歩みは止めず、現在はライブ活動にも復帰している。今回は2組を中心に、メンバーの死後もバンドとしての活動を続けるアーティストたちに触れたい。

 まずは冒頭でも名を挙げたHi-STANDARD。恒岡の死が告げられた当時は具体的な音源のリリースやライブの予定は発表されていなかったが、メンバーは定期的にスタジオに入り、前向きに活動をしていた。そして訃報からおよそ2カ月後、Hi-STANDARDは新曲「I'M A RAT」をリリース。昨年末にレコーディングされた曲であり、恒岡の遺作となった。

Hi-STANDARD - I'M A RAT (Official Lyric Video)

 そして同時に6月18日の『SATANIC CARNIVAL 2023』への出演も発表。誰がドラムを叩くか明かさずに始まったライブ本番では、Ken YokoyamaのEKKUN、The BONEZのZAX、マキシマム ザ ホルモンのナヲが交代で登場した。ライブが始まる前まではどんなステージになるのか、これからHi-STANDARDがどうなるのか、不安に思っていたファンも多いだろう。しかしライブ終盤、難波章浩(Vo/Ba)は「俺たち、終わってないから。死んでも終わんない。ずっといてやるよ」と発言。Hi-STANDARDはまだまだ続くのだ。

 sumikaは結成10周年のアニバーサリーイヤーとして、楽曲のリリースや初のドキュメンタリー映画の公開、横浜スタジアムでのライブなど多数の活動予定があったタイミングでの黒田の訃報だった。インタビュー記事を掲載予定だった音楽誌も緊急対応で追悼文が記載されるなど、業界全体に衝撃を与えた。後日発表されたメンバーからのコメントでは、彼らも現実を受け止められていないことが痛々しく伝わってきて、苦しくなったのを覚えている。そんなsumikaも少しずつ前を向き、4月末よりライブ活動を再開。

 5月14日に行われた横浜スタジアム公演『sumika 10th Anniversary Live 『Ten to Ten to 10』』ではサポートギターを入れず、片岡健太(Vo/Gt)、小川貴之(Key/Cho)、荒井智之(Dr/Cho)の3人でステージに登場した。黒田の立ち位置である下手に黒田のレスポールギターが置かれ、片岡が黒田のスタイルでギターを披露する場面も。今後のツアーも発表され、sumikaを継続させていく強い意思を表明した。

sumika / Shake & Shake 【10th Anniversary Live 『Ten to Ten to 10』Live at 横浜スタジアム】

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