香取慎吾、変化を楽しむ心で“これまで”を脱ぎ捨てさらなる新章へ 中居正広との共演がもたらした進化を考える

中居正広についても話せるタイミングに

 そして、もうひとつ大きな変化といえば、4月末に放送された『まつもtoなかい』(フジテレビ系)にゲスト出演し、中居正広と共演したことだ。インタビューでは、「中居さんとふたりきりの番組だったら、『タイミングじゃない』とお断りしたと思う」という率直な言葉も見受けられた。すべてはダウンタウン 松本人志が作ってくれた時間なのだ、と。

 彼らを見ているといつも思う。それは、物事にはベストなタイミングがあるということ。しかし、そのタイミングまでじっと待つことができる人はなかなかいない。うっかりそのまま話せば、いらぬ憶測が独り歩きしてしまうリスクがある。かといって素が見えなければ、人から親しまれることもない。SMAPの末っ子というポジションで愛されてきた香取は、いつだってその影響力と飾らなさのあいだにあるギリギリのラインで言葉を選んできたように思うのだ。

 だから、香取の口から中居の話ができるようになったのは、彼らを取り巻く環境の風向きが変わってきたのだというまぎれもない証拠。中居が療養していた2カ月間、1日も欠かさずに連絡をしていたことも、きっとあのタイミングでなければ明かされなかったはずだ。もしかしたら、一生明かされることもなかったかもしれない。

 また、以前『7.2 新しい別の窓』(ABEMA※通称『ななにー』)にロンドンブーツ1号2号の田村淳が出演した際には、中居から「3人(稲垣吾郎、草彅剛、香取)と会ってる? なんかあったらよろしくね」と言われたという話があった。そのときの香取は中居について詳しく言及していなかったけれど、今回のインタビューでは「中居くんぽいな、と。親じゃないんだからっていうメンドくささはありますよね(笑)」と話すことができている。

 きっとそんなふうに少しずつ風向きが変わり、気づいたら空気が入れ替わっていて、また新しい風景が見られるのかもしれない。もう実現することはないだろうと思われていた森且行との再会が叶ったように。「こんなことが起きるんだ」と思わせてくれる景色を、香取は決して諦めない。ただひたすら、そのタイミングを待って、自分自身を進化させていく。

 新しい地図を広げると同時に始まったレギュラー番組『ななにー』も、ちょうどこのタイミングでリニューアルする。先日、香取のInstagramにはステップアップしていくことを象徴するような赤い階段の写真と「なに色の階段を登ろうか」という言葉がアップされた。赤は香取が一番使う絵の具の色だ。次は一体どんな新しい色で楽しませようか、という意識が感じられる。新しい風を感じ取り、変化を楽しみ、そして未来を明るく照らす。香取慎吾の新章がまた楽しみになった。

 
 
 
 
 
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