『グラミー賞』新ルール、AIのみで作った楽曲は授賞対象外 「人間のクリエイターのみが資格を持っている」

 グラミー賞を運営するレコーディング・アカデミーが、2024年に開催される『第66回グラミー賞』において「人間のクリエイターのみが資格を持っている」というガイドラインを示した。

 同協会は、『第66回グラミー賞』の公式ルールを公開(※1)。グラミー賞の投票は、すべてレコーディング・アカデミーの投票メンバーによるもので、規則および規制に基づく資格理事会によって承認されたものとなる。今回公開された公式ルール内では、グラミー賞はクリエイティブな卓越性を表彰すると明記したうえで、「人間のクリエイターのみが授賞資格を持っている」とし、人間の著作を含まない人工知能を用いたAI技術による作品についてはどのカテゴリーにおいてもグラミー賞の検討、ノミネート、授賞資格がないことを説明。ただし、AIの要素が盛り込まれた作品およびAI技術の使用によって生成された素材については適用されるカテゴリーがあり、その場合には人間が20%以上作品の制作に関与/貢献する必要があるなどの条件を満たしていることが必須だという。

 なお、以前までのルールに基づくと、アルバムに参加しているプロデューサー、ソングライター、エンジニア、フィーチャリングアーティストは、当該人の意見が少ない場合でも、「年間最優秀アルバム賞」(Album of the Year)にノミネートされる可能性があった。だが、今回発表された新ルールでは、人工知能を用いたAI技術によって人間の著作を含まない作品については、どのカテゴリーにおいても授賞資格がないことが明確化。作品にAI技術が関与している場合、人間がAI技術以上の貢献をしていない限り、ノミネートの対象にはならない。さらに、AI部分の制作担当者はノミネートや授賞の対象とはならないとのこと。

 また、同回より「最優秀アフリカン・ミュージック・パフォーマンス賞」(Best African Music Performance)、「最優秀オルタナティブ・ジャズ・アルバム賞」(Best Alternative Jazz Album)、「最優秀ポップ・ダンス・レコーディング賞」(Best Pop Dance Recording)の3部門が新たに追加されることも発表された(※2)。これに合わせ、従来の「プロデューサー・オブ・ザ・イヤー(非クラシカル)」(Producer Of The Year, Non-Classical)と「ソングライター・オブ・ザ・イヤー(非クラシカル)」(Songwriter Of The Year, Non-Classical)は個別部門から一般部門に移され、グラミー賞の投票資格を有する全員がこのふたつの部門に投票することができるようになった。このカテゴリーの追加と改正は、先月開催されたレコーディング・アカデミーの評議員会にて投票が行われたのち、可決した。

 前回の『第65回グラミー賞』の主要4部門では、年間最優秀レコードにリゾの「About Damn Time」、年間最優秀アルバムにハリー・スタイルズの『Harry's House』、年間最優秀楽曲にボニー・レイットの「Just Like That」がそれぞれ選ばれ、「最優秀新人賞」(Best New Artist)はサマラ・ジョイが受賞した。

※1:https://naras.a.bigcontent.io/v1/static/66th_Rules&Guidelines
※2:https://naras.a.bigcontent.io/v1/static/PressRelease66thCategoryAdds-final
参考:https://www.47news.jp/9470144.html

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