エリック・クラプトンは通算100回目の武道館公演 ボブ・ディラン、ジョージ・クリントン…レジェンドアーティストの来日ブーム

レジェンドアーティストが続々来日

 エリック・クラプトンとボブ・ディランが、二人揃って東京で演奏している。にわかに信じがたい、そんなクレイジーな出来事が起きた2023年4月。クラプトンは海外アーティストとして初となる通算100回目(!)の武道館ライブを行い、ディランもノーベル文学賞受賞後初となる日本ツアーを全日程成功させた。パンデミックが明けつつある中、いま日本には海外アーティストの来日ブームが訪れている。

 クラプトンといえば、言わずもがな最も影響力のあるギタリストであり、彼のキャリアに馴染みがなくとも「Layla(いとしのレイラ)」はじめ数々の名曲をどこかで耳にしたことがあるだろう。ディランも映画の題材になったり、村上春樹や伊坂幸太郎の小説にその名があがったりと、音楽シーン以外でも存在感を放つ世界的なミュージシャンだ。そんな彼らがクラプトン 78歳、ディラン 81歳という年齢で精力的に活動していること自体喜ばしいが、それ以上に日本での人気ぶりの衰えなさには目を見張るものがある。

Eric Clapton - I Shot The Sheriff [Crossroads 2010] (Official Live Video)

 クラプトンは、言ってしまえば波瀾万丈な人生を歩んできた。薬物やアルコールの依存症に長年苦しみ、女性関係もめちゃめちゃで、若いときはかなり自堕落な生活を送っていた。そんな彼の心根は、彼の書く詩を通して理解することができる。彼にとって音楽とは一つのリハビリのような、自分の内面と向き合う作業だった。そういうマインドの彼がライブパフォーマンスに向き合う姿勢からは、決意や意思、さまざまな感情が伝わってくる。ディランも繊細なアーティストとして知られるが、その人物像は長きにわたってベールに包まれてきた。“イメージ”を壊さないために私生活を秘密にする、その徹底ぶりが彼のカリスマ性を高め、彼の創作物の存在感を高めたように思える。こういう部分から、大御所が大御所である理由、ファンに長年愛される理由が垣間見えてくるのだ。

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