imase、なぜ海外で最も勢いを伸ばす日本人アーティストになり得たのか 「NIGHT DANCER」にも表れる素朴と洒落のバランス
なぜimaseの楽曲はここまで大きなバズを起こせるのだろうか。
「NIGHT DANCER」は、公開されたステムデータにも表れているように凝っているがシンプルに聴こえる音作り、歌い上げないリラックスした歌い回しが印象的。そしてなんと言っても〈どうでもいいような 夜だけど〉のフレーズが抜群に気持ちよく、声に出して歌いたくなるようなキャッチーな魅力がある。一方で、imase本人はこの曲を“City Pop”とコメントしているように、全体的に都会的な洗練も感じられる。このあたりは編曲を務めたESME MORIによる手腕も大きいと思われるが、ある種ベッドルームポップ的な素朴さも持ちつつ、音作りはお洒落でクール。素朴だが洒落ているという、この絶妙なバランスがimase作品の肝だと感じる。
先日リリースされた最新曲「Nagisa」はその“シティ感”が全面に表れており、imase作品には珍しいホーンやストリングスを用いた豪華なサウンドが楽しい。J-POPのヒットソングを数多く手掛けているプロデューサーの久保田真悟によるこの煌びやかなサウンドアレンジは、まるでimaseをゴージャスにドレスアップさせているかのようだ。メロディにはオリジナリティがあり、純粋に歌としても秀逸だと感じる。歌詞はサマーソングと言うべき開放感があり、等身大な背伸び感のある言い回しも面白い。サウンド、メロディ、歌詞、すべての点においてimase史上最もクオリティの高い楽曲だと感じる。
重要なのは、音の新しさだ。日本のシティポップの評価が海外で高まって久しいが、多くのそうした作品が昭和レトロ〜平成初期テイストによるノスタルジックな感覚を呼び起こすのに対し、imase作品は令和のポップスとしての新鮮な装いを纏っている。だからこそ、現代の若者の耳にも馴染むのだろう。imaseがSNSでここまでバズを起こせる理由には、素朴さとお洒落さ、そしてサウンド面の新しさがあるように思う。
imaseはこの追い風を受けて韓国のみならずアジア、ゆくゆくはワールドワイドに人気を獲得するのではないかと考えられる。SNSのバズがきっかけで海外リスナーが急増した例と言えば、最近では藤井 風が記憶に新しいが、imaseも藤井 風のようにバイラルから火がつき、アジアツアーなどを開催できる存在になるかもしれない。「NIGHT DANCER」の人気ぶりや、新曲「Nagisa」のクオリティを聴くにつけ、その可能性は十分にあると言えるだろう。
■リリース情報
『Nagisa』
2023年5月26日 Digital Release
配信URL:https://imase.lnk.to/nagisaWE
■ツアー情報
『imase 1st Live Tour 2023』
2023年10月26日(木)大阪BIG CAT
2023年10月27日(金)名古屋NAGOYA CLUB QUATTRO
2023年10月31日(火)東京Zepp Shinjuku(TOKYO)
時間:OPEN 18:00/START 19:00
チケット:全自由(整理番号付き)
チケット代:5,000円(税込み)*ドリンク代別
公演に関するお問い合わせ:ハンズオン・エンタテインメント(info@handson.gr.jp)
(受付時間:平日11:00〜16:00)https://www.handson.gr.jp/
imase オフィシャルサイト:https://www.universal-music.co.jp/imase/
Twitter:https://twitter.com/imase_1109
Instagram:https://www.instagram.com/imase11_9/
TikTok:https://www.tiktok.com/@imase119
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