imase、なぜ海外で最も勢いを伸ばす日本人アーティストになり得たのか 「NIGHT DANCER」にも表れる素朴と洒落のバランス
imaseの楽曲「NIGHT DANCER」がグローバルヒットを巻き起こしている。
imaseは現在22歳のアーティスト。2021年に自身の楽曲がTikTok上で大きなバズを起こし、同年12月にメジャーデビュー。「Have a nice day」や「逃避行」など数多くの楽曲をネット上でバズらせ、昨年4月にはポカリスエットのCMソング「Pale Rain」でPUNPEEとコラボするなど、圧倒的なスピード感で音楽シーンを駆け上がっている。音楽活動を始めてから最初のバズが起きるまで、その期間はわずか1年ほどだったという。まさにSNS時代を象徴する新世代アーティストの一人と言えるだろう。
いま話題になっている「NIGHT DANCER」は、昨年5月にすでにSNSに曲の一部が投稿されていた楽曲で、その後8月になって正式に配信リリース。シンプルな音作りと思わず口ずさみたくなるようなメロディが癖になるダンサブルなナンバーだ。
同曲はその後、名だたる韓国アーティストたちがダンス動画をアップしたことで知名度を上げていく。Stray KidsやNCTのショウタロウのほか、TREASUREやENHYPEN、ATEEZ、Kep1erといった今をときめくK-POPグループのメンバーたちがこぞってこの曲のダンスを披露したことで、瞬く間に広がりを見せていった。そして今年2月、韓国を代表する音楽プラットフォーム MelOnの総合ランキング「TOP100」入りを達成。(チャート最高位は17位)同チャートにJ-POPがランクインするのは初めての快挙である。こうしてSNSを介して海を飛び越え、じわじわと海外からの支持が高まっていき、31カ国のSpotifyバイラルチャートにランクイン。
決め手となったのは今年5月のこと。BTSのジョングクが自身のSNSでこの曲を好きだと公言したのである。ジョングクはライブ配信で「頭から離れない」と話し、日本語で生歌も披露。とりわけ韓国では大きな盛り上がりを見せており、Spotify韓国「トップ50」で最高5位、YouTube韓国の楽曲ランキングではトップ3のNewJeansに次ぐ4位と目ざましい成績を残している。TikTok上では全世界での再生回数が12億回を突破。さらにこの曲を使用した投稿は、のべ40万本以上にまでのぼるという(記事執筆時点)。imaseは今、海外で最も勢いを伸ばしている日本のアーティストと言っても過言ではないのだ。