鈴木愛理、20周年イヤー締めくくる声出し解禁コンサート ℃-ute、Buono!の楽曲も織り交ぜたこれまでの集大成

鈴木愛理パシフィコ横浜公演レポ

 2017年に解散した℃-uteのメンバーとして活躍し、女性からも支持を集めるアイドルとして、現在はソロで歌手やモデル、女優として多方面で活動する鈴木愛理。 2022年にデビュー20周年を迎え、写真集発売やコンサートなどさまざまな活動を展開してきた彼女が6月11日、パシフィコ横浜国立大ホールにて、20周年イヤーの集大成となるコンサート『鈴木愛理 LIVE 2023 〜ココロノオトヲ〜』を開催した。

 声出し解禁後初の単独ライブとなった今回の公演は、圧倒的なパフォーマンス力で会場を魅了しつつ、コール&レスポンスを随所に散りばめたセットリストで、駆けつけたファンとのあたたかな交流が繰り広げられた約2時間半となった。本稿ではその様子をレポートする。

鈴木愛理
鈴木愛理

 会場の大きな歓声と拍手でスタートした今回の公演。ブライトピンクの大ぶりな花が描かれた華やかなドレスに身を包んだ鈴木がステージに登場すると、〈君へ響け このメロディ〉と、2019年にリリースされた「IDENTITY」の冒頭部分をマイクオフで披露した。マイクを通さずとも会場に響き渡るパワフルで伸びやかな歌声に酔いしれていると、「やっとこの日がきたね。みんなの心の音、聞かせて!」と鈴木が会場に呼びかけ、1曲目は「IDENTITY」をパフォーマンス。ステージを広く使って会場を見渡した鈴木は、疾走感あふれるロックナンバーで、ファンとの再会を噛みしめた。1曲目からコールが沸き起こった同楽曲に、鈴木は「もっといけるでしょ?」と会場を煽っていく。ペンライトでピンク色に染まった会場は大合唱となり、ライブ冒頭を一気に盛り上げた。

 2曲目は、エンターテインメントの王道がギュッと詰まった「Let The Show Begin」を披露。鈴木の圧倒的な歌声とともに、バックダンサーと繰り広げるクールでセクシーなダンスで会場をさらに魅了していく。3曲目は「OK、みんな、今日は最後までよろしく!」という鈴木のかけ声から、デビューアルバム『Do me a favor』に収録されたダンスナンバー「Good Night」をパフォーマンスして、MCへと移行した。

 「みなさん、こんばんは。鈴木愛理です!」と鈴木が一言叫ぶと、会場からは大歓声が。その様子に鈴木も「すごい聞こえる! ありがとう!」と笑顔で応じ、今回の公演のコンセプトなどを説明した。20周年イヤーライブの締めくくりの気持ちを込めて準備したという本公演は、ファンからの声出しが解禁となったこともあり、「(MCの最中に)笑うつもりはなかったんだけど、すごいニコニコしちゃうくらいハッピーが溢れています」「どんな人も置いていかないライブにしたいと思っています」と満面の笑みで語った。今回のコンサートではファミリー席が設けられていることもあり、MC中には小さな子どもから「愛理ちゃん、大好き!」と声援が届く場面も。鈴木はその可愛らしい声に思わず笑みがこぼれ、「はーい、愛理だよ!」と手を振り、小さなファンとのあたたかな交流も楽しんだ。

 続いて、ボカロPであるツミキが楽曲制作を担当した、切なげなメロディとジャジーなサウンドが印象的な新曲「Shampoo」を披露して会場の空気をガラッと変えると、「真夜中のメリーゴーランド」をパフォーマンス。しなやかでセクシーな歌とダンスを披露した後、Official髭男dismが楽曲提供を行った「Break it down」と、2022年にリリースしたアルバム『26/27』に収録された「rescue」を披露した。ジャジーなサウンドやファンキーなサウンドで、鈴木の大人っぽい魅力を引き出した一幕となった。

鈴木愛理

 「みなさん、楽しんでますか?」と鈴木が会場に問いかけてMCへ。20周年イヤーの締めくくりライブということで、非常に悩みながらセットリストを考えたという鈴木。前半はダンスを見せる楽曲を多く配置したといい、「この後、踊っていこうかなと思うんですけど、いいですか?」とドレスのスカート部分を取り外し、黒いミニスカートのキュートかつクールな衣装へと変身した。

 続いて、℃-uteの「The Middle Management~女性中間管理職」をショートバージョンで披露すると、「Be Your Love」をパフォーマンスし、しなやかでキレのあるダンスで会場を魅了。そして、「たぶんね、(Short Ver.)」「羨んじゃう(℃-ute)」「STRONGER」「ひとり占めしたかっただけなのに(℃-ute)」「Midnight Temptation(℃-ute)」を駆け抜けるように披露して、ライブ中盤の会場のボルテージは最高潮に達した。

 ここで、鈴木が一度ステージを去ると、スクリーンには℃-uteやBuono!時代の鈴木の懐かしい映像が。会場のファンは映像に合わせ、各楽曲やグループならではのコールを楽しんだ後、グレーと水色、オフホワイトの華やかなドレスに着替えた鈴木が登場し、やわらかであたたかな雰囲気のバラード「heart notes」を歌い上げた。同楽曲をファン一人ひとりに語りかけるように歌う鈴木。その歌声からは、コロナ前の日常が戻りつつある喜びと、この日常がこれからも続いてほしいという願いを感じられたひとときとなった。

 続いて、「OK? ここから後半戦、めちゃくちゃ盛り上がっていくよ?」という鈴木の呼びかけから「No Live, No Life」へ。疾走感あるポップナンバーで会場のテンションをさらに上げていくと、同楽曲恒例の「忘れ物チェック」を行い、会場はさらなる盛り上がりを見せる。するとここで、「体が固まっていると思うので」と、まさかのラジオ体操コーナーに。キーボーディストがNHKラジオ体操第一を少しアレンジしたメロディを奏でると、会場のファンとともに腕や足、手首の体操を行い、最後にその場で小さくジャンプ。小さなジャンプから少しずつ大きなジャンプをファンにも求めると、℃-uteの明るく元気なポップナンバー「JUMP」をパフォーマンス。続けて、Buono!の「ワープ!」を披露して、ファンからの「愛理、最高!」というコール&レスポンスを楽しみ、ライブ終盤へと勢いを加速させた。

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