鈴木愛理、20周年イヤー締めくくる声出し解禁コンサート ℃-ute、Buono!の楽曲も織り交ぜたこれまでの集大成

鈴木愛理パシフィコ横浜公演レポ

 「盛り上がってますか?」と会場に尋ねた鈴木は、「後半戦、まだまだ飛ばしていきますよ!」「コロナ禍に出た楽曲を、各々で盛り上げてください!」と、「ハートはお手上げ(Short Ver.)」「ハイビート気分」をパフォーマンス。そして、エレキギターが「初恋サイダー(Buono!)」イントロのフレーズを一瞬だけ奏でると、鈴木が「みんな、歌ってくれますか?」と会場に呼びかける。鈴木が「キスをあげるよ」と歌い出すと、その後に続く歌詞を会場全体で合唱し、疾走感あふれるポップ&ロックナンバー「初恋サイダー」をファンによるコールとともに歌い上げた。

 ここでピアノによるしっとりとした伴奏をバックにMCへ。鈴木は、今回のライブに込めた想いを、一つひとつの言葉を噛みしめるようにファンへと届けていく。公演開始までライブ本番の様子をイメージしてきたという鈴木は、「想像を超えるみなさんの迫力に、たくさんのパワーをもらっています」と会場を見つめながらコメント。20周年イヤーを過ごして、改めて歌が好きなこと、グループ活動時の曲も歌い継いでいく意味を感じたことに触れながら、「この先もこうやってステージに立って、みなさんと一緒に歴史をつくっていきたいと思っています」と語り、鈴木の現在の心境とリンクしたBuono!の「ゴール」を芯のある伸びやかな歌声で披露した。

 そして、本編最後は「新曲を書いてきました! みんな、騒げ!」と会場を煽り、鈴木も作詞に携わった新曲「平等なメロディ」をパフォーマンス。疾走感あふれる、鈴木ならではのロックナンバーで最後まで会場を魅了し続け、ライブ本編を終えた。

 アンコールは「Kiss! Kiss! Kiss!(Buono!)」を披露すると、鈴木はMCで20周年イヤーとコロナ禍を経て変化した心境やスタンスをファンにそっと明かした。心の内をMCなどで素直に話せるようになったという鈴木は、「過去の自分の輝いていた感じに、自信を持てない時期もありました。そういうときにいつでも支えてくれたのは、本当にみんなで。みんなに音楽を通して恩返しがしたくて、いろいろな気持ちをこめてきたのだけど、ちゃんと届いてましたか?」「弱みを見せないのが美学だったけれど、弱いところがあって、みんなにも甘えていいのかなって、そういう風に思っています」と、あたたかい声援を送るファンへの感謝を語った。そして、最後に「start again」を披露し、アンコールも含めた全25曲のパフォーマンスを終えた。

鈴木愛理

 ロックナンバーからダンス、ポップ、バラードと、多様な楽曲を披露し、ソロアーティスト・鈴木愛理の圧倒的なパフォーマンス力に酔いしれる2時間半となった今回の公演。歌とダンスが素晴らしかったのはもちろんだが、楽曲のコール&レスポンスやMCを通じて、ファンとの交流が随所で繰り広げられたコンサートにもなった。ファンとコミュニケーションをとる鈴木は本当に楽しそうな表情で、ファンの声に耳を傾けてツッコミや反応を返す姿は「鈴木愛理らしさ」が全開、見ている側も思わず笑顔になってしまう時間となっていた。

 『鈴木愛理 LIVE 2023~ココロノオトヲ~』は、6月24日に大阪公演を予定しているという。大阪公演ではどのようにファンとの交流を深めていくのだろうか。20周年イヤー集大成の本公演最終日にも期待したい。

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