『だが、情熱はある』『それパク』……ドラマ主題歌×OP/ED映像に復活の兆し 背景に動画配信サービスの影響も

 今期ドラマは、『日曜の夜ぐらいは…』(ABCテレビ・テレビ朝日系)や、『だが、情熱はある』(日本テレビ系)、『それってパクリじゃないですか?』(日本テレビ系)などオープニング ・エンディングの映像が作られているものが多い。最近は、ドラマの場面に主題歌を重ねるのが主流になっていたため、懐かしさを感じている人も多いのではないだろうか。

 かつては、“メイン”扱いだったドラマ主題歌。Aメロとサビが流れている間は、物語が進行しない。出演者たちが登場する映像とともに、主題歌を楽しむ時間が存在していた。たとえば、『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』(フジテレビ系)で、オープニング映像とともにB’zの「イチブトゼンブ」が流れると、「今週も始まった!」とワクワクしたものだ。『流星の絆』(TBS系)の主題歌である嵐「Beautiful days」も、聴くといまだに“しー”こと有明静奈(戸田恵梨香)が口紅を塗っていたあのオープニング映像が思い浮かぶ。

 2016年の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の主題歌である星野源「恋」のような例外もあるが、近年のドラマ主題歌は、物語に“彩り”を加える存在になっていた。できるだけタイトルバックを短くして、どんどん物語を進めていく。SNSの普及により、ドラマを“ながら見”する人が増えていることも影響しているのだろうか。CM以外では、できるだけ視聴者の集中力を欠かさないように。一瞬たりとも目を逸らせないように、と飽きさせないための作り手の努力を感じる作品が多い。となると、自ずとオープニング映像やエンディング映像は減っていかざるを得なかったのかもしれない。

 だが、2018年の『アンナチュラル』(TBS系)あたりからは、主題歌が持つ意味がまた変わってきたように思う。同作では、主題歌の米津玄師「Lemon」ありきで、物語が展開していく場面が多く見られた。本当にドンピシャのタイミングで、米津玄師の〈夢ならばどれほどよかったでしょう〉という優しい歌声が流れるのだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる