『だが、情熱はある』『それパク』……ドラマ主題歌×OP/ED映像に復活の兆し 背景に動画配信サービスの影響も
『アンナチュラル』と同じく、塚原あゆ子が演出を担当した『着飾る恋には理由があって』(TBS系)も、星野源による主題歌「不思議」が流れる瞬間はSNS上で“星野源チャレンジ”などと呼ばれ、ヒロインの気持ちはその時間に画面に映った方に寄っているのでは? と主題歌ありきの考察が飛び交っていた。そのほかにも、大ヒットドラマ『silent』(フジテレビ系)では、Official髭男dismによる主題歌「Subtitle」の歌詞にリンクする台詞やシーンが登場したことも。このように、主題歌の存在感が再び強まってきた今だからこそ、オープニング映像やエンディング映像にチャレンジする作品が増えてきているのかもしれない。
そして、最近は特に、動画配信サービスでドラマを視聴する人が増えてきた。リアルタイムでの視聴が主流だった時代は、“たまたま流れていたから”でドラマを見始める人が多かったと思う。そのため制作側は、視聴者をどれだけ引き込めるかを重要視して作品を作ってきた。近年はテレビ以外に楽しめるコンテンツが増えているため、娯楽が少なかった時に比べると飽きられる不安も大きかったはずだ。
その点、動画配信サービスは確実に意思を持って作品を見ることになる。有料会員になればほとんどの動画はCMがないし、集中力が途切れる瞬間が少なくて済む。また、視聴者の意思でその作品を観ているため、オープニングやエンディングに時間を費やすことで、飽きられてしまう心配も少ない。そのため、制作側は作品の世界観を追求することに重きを置けるのだ。
時間をめいっぱい本編に使ってくれる作品も見応えがあるが、“平成ドラマ”に慣れ親しんできた筆者は、やはりオープニング映像やエンディング映像にワクワクする。個人的には、『カルテット』(TBS系)の主題歌、Doughnuts Hole「おとなの掟」が使われたエンディングが大好きだったので、またMVのような映像美を楽しめる作品が増えていくことを期待したい。
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