M!LK、結束を高めた5人による変幻自在なステージ 嬉しいサプライズも明かされた『CHECKMATE』ファイナル
M!LKが5月7日、東京ガーデンシアターで『M!LK CONCERT TOUR 2023「CHECKMATE」』の最終公演を開催した。佐野勇斗、塩﨑太智、吉田仁人、山中柔太朗、曽野舜太。5人が目標としているドームツアーの実現に向け、着実に駒を進めるべく勝負に挑んだこのツアーのファイナル。チェスをモチーフとしたセット、丁寧に作り込まれている衣装、楽曲の世界観をより深く表現するための演出など彼ら発信のクリエイティビティは今回も驚くほどパワーアップしていたが、何よりも、前進するための決意と覚悟を漲らせた5人の結束力に圧倒されるようなステージだった。
5つ並んだチェスの駒・ポーンが、一瞬でメンバーと入れ替わるというイリュージョンのようなオープニング。ステージの2階部分、つまりかなり高さのある場所で玉座のような豪奢な椅子に座った5人はまるでキングのような風格で、すっかり定着してきた“プリンセスの手を取るプリンス”的なイメージよりも一歩大人に、そして力強い印象をもたらす姿での登場だ。左肩から背中へと施されたファー、揺らめくビジュー、踊るたびに美しく翻るジャケットのデザイン性など、豪華かつシックに大人っぽさを引き出している衣装も見応えがある。開幕宣言のような決意を感じさせてくれた「HIKARI」から、このツアーで初披露となった「INFINITY TRY」では、セクシーさやパワフルさを全開にしたパフォーマンスでみ!るきーず(M!LKファンの呼称)を魅了。「めちゃモル」ではメンバー同士がわちゃわちゃとふざけ合いながら歓声を浴びていた。
3年ぶりに声出しが解禁されたということで、コール&レスポンスとペンライトの振り付けをレクチャーするコーナーも設けられていたのだが、無茶振りされた曽野が「10年ぶりなんだけど!」という側転を披露(笑)。客席も大いに盛り上がったところで「シアワシェイク」のコール&レスポンスを思いっきり楽しみ、曲の最後には巨大な金色のクラッカーを発射。ステージと客席がどんどんひとつになっていくような演出が続いた。
ここでインタールードの映像。目の前に巨大なチェスの駒が立ちはだかっていて、たじろぎながらも勇気を振り絞って向かっていく5人。M!LKはこれまでもこれからも、待ち受ける困難を乗り越えていくことを示すような映像に続き、ライブは次のパートへ突入した。全身ピンクの衣装に着替えたメンバーが、ものすごい高さまで跳ね上がるポップアップで登場だ。曲は、打ちつける5月の雨が情景として描かれている「May」。激しい雨をモノクロの映像で表現しながらエモーショナルにパフォーマンスした後は、金平糖のような星空の下で光る傘を使った演出が可愛い「君とスクロール」へ。8人のバックダンサー ICExのメンバーも傘を手に盛り上げている。
続く「energy」では、ギリギリまでステージの照明を落とし、ICExのメンバーが放つレーザー光線とメンバーのパフォーマンスで心の内側を表現。視覚的な演出とともに楽曲の世界観を作り上げた3曲のあとは、ストリングスをフィーチャーした壮大なアレンジが素晴らしかった「かすかに、君だった。」を5人の歌声でしっかりと届けた。結成から9年間の軌跡を映し出したような選曲と演出、そして5人の“今”が伝わってくる流れも見事。そこから「一旦、結婚しようか!」という山中のキラーワードも飛び出した「テルネロファイター」で盛り上がり、スタンドマイクで「It’s only LOVE」を真っ直ぐに歌い上げるなど、メリハリの効いた構成で変幻自在なM!LKの持ち味を存分に発揮していた。
MCではまず、メンバー同士の仲良しエピソードなどが次々と披露される。そして次に歌う楽曲について山中が「M!LKは本当にいろいろありましたけど、ここまでついて来てくれて本当にありがとうございます。僕らには夢見ている景色があって、それをみんなと見たいと思ってる。僕たちと一緒に進んでいきましょう」と話し、「このツアーを通して、すごく大切に歌ってきた曲」だという「何処へ」を披露した。
ライブもいよいよ後半戦となり、記念すべきメジャーデビュー曲「Ribbon」、そして「奇跡が空に恋を響かせた」を2曲続けて披露。ステージと客席のエネルギーがぶつかり合うような盛り上がりとなった「Brave Saga」、そして青空に映える満開の桜の映像をバックに「桜咲く頃には」とテンポよく披露し、客席を見渡しながら手を振ったり、メンバー同士肩を組んだり、笑い合ったりしながら、会場をハッピーな空気で満たしていった。