King & Prince、花火に誓った5人の絆 『King & Princeる。』や『Venue101』で伝えた5年間の感謝
このまま時間が止まればいいのに。King & Princeを見つめてきた人にとって、5月20日はそんな瞬間だったのではないだろうか。
5月22日をもって、平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太の3人が脱退。翌日5月23日からはKing & Princeは永瀬廉、髙橋海人の2人で活動していく。そのため5月20日にゴールデンタイムでオンエアされた『King & Princeる。』(日本テレビ系)の2時間スペシャル、そして日付が変わる直前の生放送『Venue101』 (NHK総合)が、5人揃ったKing & Princeのテレビでの見納めとなった。
今一度光る5人の個性と、微笑ましい関係性
King & Princeの初冠番組として始まった『King & Princeる。』。これまで様々なチャレンジ企画を通じてメンバーそれぞれの個性にスポットライトを当ててきた。愛情たっぷりにKing & Princeの成長を見届けてきた同番組がラストに用意したのは、彼らがやりたかったことを叶える1泊2日の新潟“5人旅”。そして、この旅模様を通じて改めて5人の魅力が引き出されていくのを感じた。
例えば、思わず「漫画の主人公か!」とツッコミたくなるくらい、ダンスも、アクションも、スポーツも……何をやってもその身体能力の高さで驚かせてくれた平野。5人でサウナに入るため、他のメンバーが斧で薪割りに挑むもなかなか割れずに苦戦していると、おもむろに平野が手でバリッと引き割いて笑いを誘う。
そのあとも雪解け水が冷たい滝壺にメンバーを入れようと4人の乗る浮島を動かす平野。4人は「バカ野郎!」と叫びながらも、これがなかなか気持ちいいとワチャワチャと水に打たれに行くから面白い。岸に至っては、修行僧のような面持ちで水圧を全身で楽しむ姿も。まるで少年のようにハシャぐメンバーたちに、スタッフから「中学生の水遊び」とテロップでツッコまれてしまうほどだ。
そんな野性味あふれる平野と、そのノリを何倍にも広げる岸。彼らの勢いに、普段は少しの髪型の乱れも許さないことでおなじみの高い美意識を持つ永瀬もついテンションが上がって巻き込まれていく。さらに、カメラの回っていない所でも平野が髙橋のインナーパンツを持ち上げる珍事件も勃発。だが、髙橋も平野に「負けちゃいけない」と、楽しもうとしたというから器の大きさを感じずにはいられない。
そんな4人をいつも微笑みながら見守っている神宮寺だが、海上相撲対決では岸に向かって「岸くん、俺はなあんたが俺の家(の風呂場)でおしっこしたこと忘れてねぇからな!」とまさかのメンタル先制攻撃をするから笑ってしまった。しかも、その発言に永瀬と平野が「俺ん家でも!」と追随し、髙橋がピョンピョンしながら大笑い。5人がプライベートでも交流のある仲だからこそできる笑いの数々が番組を大いに盛り上げた。
花火に誓った5人の絆「みんなで最高の人生に」
ジャニーズJr.時代には、2つのユニットに分かれて切磋琢磨してきた彼ら。それがライバルとしてギスギスするどころか、「このメンバーでデビューしたい」と一緒に直談判をしたエピソードを思い出す。もし、その交渉が叶わなければ、その時点で全員が事務所を辞める覚悟だったことも。
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加えて平野は事務所から「ソロがいいんじゃないか」という話もあったという。しかし、「廉、海人、岸くん、ジン、玄樹(岩橋玄樹)で やっていくことしか想像できなかった」と強い覚悟があったと、Instagramで平野が振り返っていたのも記憶に新しい。
それから5年。いろんな状況が大きく変わっていった。エンターテインメントのあり方そのものを問われる一方で、これまでの方法とは違う形で世界に挑戦するボーイズグループも増えてきた。多くは語られてはいないが、きっとKing & Princeを取り巻く環境も変化したのだと想像する。もしかしたら変わっていないのは、今回5人旅で見受けられた彼らの仲睦まじさだけだったかもしれない。
旅のラストを飾ったのは、5人だけの花火大会。打ち上げる花火の玉にメンバーが想いを込めたシーンでは「きれいな5色になりますように」(神宮寺)、「5人の絆は花火のように散りません」(平野)という言葉が印象的で、髙橋の「みんなで最高の人生にする」にもグッとくるものがあった。
夜空を彩る光を見ながら、アイドルを見守る時間は花火のようだと思った。その輝きは周囲を明るく照らし、私たちは胸を熱くする。それこそ、この光景をずっと見ていたいと願わずにはいられない。しかし、それが不可能だとわかっているからこそ、その一瞬を愛しく感じ、心に刻もうとするのだろう。
永瀬の「これからも絶対勝つぞ! King & PrinceファイターズGO!GO!GO!」と声を出した5人の円陣も、まるで打ち上げ花火のようなエネルギーを感じた。愛らしい5人の「中学生の水遊び」のような姿をずっと見ていたかったけれど、彼らのポテンシャルは今の環境に収まってしまうのはもったいないと思う場面も少なくない。5人でより広い世界に羽ばたいていけたら一番良かったのだが、自分たちでデビューをもぎ取ったあの頃よりも環境はずっと複雑になっているのかもしれない。今は、この形でいこうと決めた彼らの挑戦を精いっぱい応援したい。だって絆はずっと心の中に残るから。「何十年後もこの話出てくるよね」と笑い合う姿から、彼らの仲の良さが続いていくのだと確信できる。そんな明るい旅の締めくくりだった。