チョーキューメイ、圧倒的なボーカル&演奏力を体感 『LOVEの飽和水蒸気量』ツアーで発揮した無限のポテンシャル

チョーキューメイ、最新ツアー東京公演レポ

 特筆すべきはやはり、麗のボーカルだ。EP『LOVEの飽和水蒸量』に関するインタビュー(※1)で彼女は、「レコーディングのときは、歌詞を見ながら歌っています。セリフに近いというか、『ここは悲しく歌ったほうがいいな』とかも自分で決めて」とコメントしていたが、ライブにおけるボーカリゼーションはさらに感情の濃度が上がり、すべての言葉がダイレクトに伝わってきた。どんなにエモーショナルになってもメロディが崩れることはなく、音楽として高いレベルを保てる技術にも驚かされた。

 「大人になってもあなたが好きと思った、18歳のときに書いた曲です」と紹介されたバラード「ユウ(するどいささくれ)」は、れんぴ、麗の二人だけで披露。クラシックとアジア的な旋律が響き合う演奏は、まるで印象派の室内楽のよう。子供から大人への揺れる時期、切なくも美しい恋愛を描いた歌も素晴らしい。

チョーキューメイのライブ写真

 家族をモチーフにした「ただいま」「おやすみパパママ」などを演奏した後は、「故のLOVE」へ。自由奔放なリズムチェンジ、サビにおける開放的なダンスビート、メンバー個々のセンスが活かされた演奏、ツンデレな女の子をキュートに演じるように表現する麗のボーカルが鳴り響き、観客のテンションも最高潮に達した。「チョーキューメイのなかで、いちばんラブリーな曲」(麗)と紹介されたこの曲は、新たなライブアンセムとして認知されることになりそうだ。

 さらに「貴方の恋人になりたい」「3月の花嫁」と“好き”“愛してる”という気持ちをぶつける直球のラブソングを続け、本編の最後は「まだ燃えてない君の夢! どんなに胸が痛くても走り続けないと。今ここにいるということを確かめたくて」(麗)という言葉に導かれた「十三月の銀河」。「ここが始まりだ」という決意を込めた強くて真摯で神聖な歌声は、すべてのオーディエンスの心に刻まれたはずだ。

 アンコールはバイオリンの軽やかなイントロからはじまった「白い坂道をくぐったら」、“悔しさを糧にして進んでいきたい”という願いを解き放つギターロック「涙と羽根のピアス」。もっともっとこのバンドの音楽を聴きたい、ライブを観たい。そんな気持ちがさらに高まる素晴らしいステージだった。

 『超新星は教えてくれる』と題された次回のワンマンライブは、麗の誕生日である12月24日・渋谷WWW。ここからチョーキューメイは瞬く間に大きくなっていくはず。この先のライブはすべてが貴重だ。

チョーキューメイのライブ写真
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※1 https://realsound.jp/2023/01/post-1242014.html

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