Wallows、色鮮やかなロックアンセムで巻き起こした大合唱の渦 Chilli Beans.とも共演果たした初来日公演レポート

Wallows、Chilli Beans.と共演した来日レポ

 ライブは、いよいよ後半戦へ。大ヒット曲「Pictures of Girls」や最新アルバムの楽曲を織り交ぜながらライブが進んでいき、果てしないほどに高揚したフロアの空気を、ブレーデンがメインボーカルを担う楽曲「At the End of the Day」が優しくクールダウンさせていく。このように、ディランとブレーデンのメインボーカルのバトンタッチや、2人の美しいコーラスワークを堪能できるのも、Wallowsのライブの大きな醍醐味であると感じた。

 ディランが、オープニングアクトを務めたChilli Beans.への感謝とリスペクトを表明した後、残り数曲でライブが終わってしまうことが告げられる。フロアからは悲鳴にも似たリアクションが起きていたが、「Scrawny」が始まると、あっという間にフロアはポジティブなバイブスで満たされていった。他の曲も然りではあるのだが、この曲のみんなで歌えるポップアンセムとしての強度に、こうしてライブを観て改めて驚かされた。美しいアルペジオが冴え渡った「Just Like A Movie」、高速BPMでありながらダンサブルなグルーヴを届けてくれた「Remember When」を経て、本編ラストを飾ったのは、最新作のクロージングナンバー「Guitar Romantic Search Adventure」だった。哀愁に満ちたディランの弾き語りから幕を開け、次第に、神秘的で壮大なサウンドスケープが広がっていく。それに応えるように、観客たちがスマホのライトを高く掲げ、フロア一面が白く輝く。とてもドラマチックなフィナーレだった。

 アンコールでは、パンキッシュさとポップさの両方を兼ね備えたメロコアナンバー「I'm Full」で再びフロアを熱狂の彼方へと導き、そして誰もが待望していたであろう屈指のポップアンセム「Are You Bored Yet?」へ。歌い始めから最後まで怒涛の大合唱が巻き起こり、今回のライブは美しい大団円を迎えた。メンバーたちが、ステージを去る途中で何度も何度も観客たちに喜びと感謝の気持ちを伝えていたのが印象的だった。いつか再び実現するであろう2度目の来日公演にも期待したい。

■アルバム情報
2ndアルバム『Tell Me That It's Over』
配信中

ダウンロード/ストリーミング
https://japan.lnk.to/TMTIO

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる