秋元真夏、乃木坂46で培った“大切”が全て詰まった卒業コンサート バラエティ豊かな演出で笑いと涙が絶えないステージに
もちろん、この日は真剣なパートもしっかり用意されていた。グループを代表する「インフルエンサー」「シンクロニシティ」では見事にセンターポジションをやりきり、約11年の積み重ねがいかに大きなものだったかを証明。その一方で、「帰り道は遠回りしたくなる」や「最後のTight Hug」では“これぞ乃木坂46”という美しさとしなやかさを見事な形で表現する。そして「言霊砲」と「忘却と美学」では、今後の乃木坂46を引っ張っていくことになる3期生たちとコラボ。前者では久保史緒里、山下、与田祐希と、後者ではキャプテン/副キャプテンの関係で苦楽を共にした梅澤美波と一緒にパフォーマンスし、自身が背中で見せてきたものを改めて彼女たちに伝えてみせた。さらに、唯一の2期生としてこのタイミングまでグループに残り続けた鈴木絢音とは、“HoneyWorks meets さゆりんご軍団+真夏さんリスペクト軍団 from 乃木坂46”名義で発表した「大嫌いなはずだった。」を歌唱。この選曲からも秋元の強い愛情が伝わり、自身も3月末に卒業を控えた鈴木も涙を堪えながら、この曲を噛み締めながら歌い遂げた。
感情の起伏がまるでジェットコースターのようだった『秋元真夏 卒業コンサート』もいよいよ佳境に。秋元は「昨日までやっていた期別ライブが本当に楽しくて。卒業するのが何の不安もないくらい、頼もしい後輩に囲まれていたんだなと感じた3日間でした」と涙交じりの笑顔を浮かべ、「アイドルとして世代交代が難しいと言われている大人数アイドルグループですけど、乃木坂はちゃんと世代交代できたんじゃないかなと自信を持って言えます」と告げてから、自身が初めてセンターを担当した「ひと夏の長さより…」でライブ本編を締め括った。
アンコール前には再びアーニャ・フォージャーのナレーションが入り、そこから高山一実、松村沙友理、西野七瀬、白石麻衣、生田絵梨花、桜井玲香といった同期のOGメンバーからのメッセージが場内に流れる。そして、再度ステージに現れた淡いピンクのドレス姿の秋元は、卒業を前に両親やスタッフ、ファンへ感謝の言葉を贈る。「生まれ変わっても絶対に乃木坂になりたいし、乃木坂のキャプテンを務めたいです。それくらい大好きな場所でした」という言葉には、最後の1期生として約11年間もグループに在籍し続けてきた彼女だからこその説得力があった。そんなメッセージのあとだからこそ、彼女の卒業ソング「僕たちのサヨナラ」はより強く響くものがあり、最初で最後のパフォーマンスはどこか夢見心地で眺めていた……今振り返ると、あの瞬間はそんな感覚だった。
5期生の菅原咲月、4期生の賀喜遥香、3期生の久保がそれぞれ秋元へ感謝の気持ちを伝えると、今度は秋元から後輩たちへのサプライズとして一人ひとりに手紙を書いてきたことが明かされる。代表して新キャプテン梅澤への手紙を読み上げると、そこには「キャプテンにはどうしてもふんばらないといけないときがあります。だから、うめのことを絶対に全力で支えてあげてください」とほかのメンバーへのお願いも含まれている。涙を堪えきれない梅澤を前に、瞳を潤ませながらも優しい笑顔を向ける秋元。この空気こそ、秋元キャプテンが約3年半をかけて築き上げた乃木坂46の“今”なのだとしたら、この空気を引き継いで新たな一歩を踏み出す梅澤キャプテンによる乃木坂46も、また素敵なグループになるのでは……この瞬間にそう実感したファンは、きっと多かったことだろう。
ラストナンバー「乃木坂の詩」の曲紹介で噛んでしまうなど、最後まで秋元らしい一面を随所に感じながら、ダブルアンコールの「ハウス!」、トリプルアンコールの「ガールズルール」まで飛び出す贅沢なボリューム感で、秋元真夏のアイドル・ラストステージおよび乃木坂46 11回目のバスラは大成功のうちに終了した。この記事が掲載される頃には、すでに新体制の乃木坂46は3月22日リリース予定の32ndシングルに向けて前進を始めている。3〜5期生のみで制作されるこのシングルで、彼女たちは先輩から受け継いだバトンをどのように未来までつないでいくのか。まさにここからが正念場、その奮闘ぶりをしっかり見届けたい。
■セットリスト
乃木坂46『11th YEAR BIRTHDAY LVE』DAY5 〜秋元真夏 卒業コンサート〜
2023年2月26日(日)横浜アリーナ
00. Overture
01. ぐるぐるカーテン
02. おいでシャンプー
03. 走れ!Bicycle
04. 制服のマネキン
05. ガールズルール
06. 太陽ノック
07. バンドエイド剥がすような別れ方
08. ジャンピングジョーカーフラッシュ
09. 僕の衝動
10. 口約束
11. ごめんね、スムージー
12. 魚たちのLOVE SONG
13. 涙がまだ悲しみだった頃
14. Against
15. インフルエンサー
16. シンクロニシティ
17. 好きというのはロックだぜ!
18. 帰り道は遠回りしたくなる
19. 最後のTight Hug
20. 言霊砲
21. 忘却と美学
22. 大嫌いなはずだった。
23. ひと夏の長さより…
<アンコール>
24. 僕たちのサヨナラ
25. 2度目のキスから
26. 乃木坂の詩
<ダブルアンコール>
27. ハウス!
<トリプルアンコール>
28. ガールズルール
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