むぎ(猫)が描く、“復活”へ向かう希望のストーリー 四季折々の楽曲に込めた切実な願いを紐解く

むぎ(猫)、“復活”へ向かうストーリー

 そして第四弾となる「冬の惑星」は、ギュッギュッと新雪を踏みしめる音のような効果音で始まる、やさしくも温かいサウンドのミディアムナンバー。季節を間違えてちょっと早く出てきてしまったフンコロガシ(スカラベ)が雪の玉を転がし、それがどんどん大きくなって、まるで冬の惑星のようになる、といったむぎ(猫)らしいウィットに富んだユーモラスなストーリーが秀逸だ。

むぎ(猫) 「冬の惑星」

 歌詞ではフンコロガシではなく、〈スカラベ〉と書かれていることから、そこに込めたむぎ(猫)の様々な思いを想像することができる。古代エジプトでは、スカラベが転がす玉を太陽に見立て、太陽は復活を意味することから、スカラベは聖なる昆虫として崇められたという。ここ数年、新型コロナウイルスの蔓延によって音楽業界は大きな打撃を受けた。むぎ(猫)も例外ではなく、地元沖縄のライブハウス公演より、配信ライブを開催するなど活動が制限された。そうしたコロナ禍という長い冬を乗り越え、今ようやく見えてきた日常。むぎ(猫)が歌う「冬の惑星」には、かつてのような賑わいの“復活”を願う希望が込められているのかもしれない。

〈冬の惑星 遥か雲を抜けて/千のはじまり 真白な新しい星/冬の惑星 寒ささえもエナジー/言葉を超えて 心地良いメロディー〉

 むぎ(猫)と共に過ごしてきた四季折々の歌と情景も、惜しむらくはこの「冬の惑星」で最後となってしまった。しかし、家に引きこもっているのはもうおしまいにしよう。春になったら真新しいキャンバスに、また一から一緒に色を塗り直せばいい。その日はもう目の前だ。2月22日(ニャンニャンニャンで“猫の日”)、東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEでの、むぎ(猫)プレゼンツ『初見さんいらっしゃい!なんとなく初心に帰る猫の日ライブ』にて、きっとむぎ(猫)がみんなに福を招いてくれるだろう。

「冬の惑星」

■リリース情報
むぎ(猫)「冬の惑星」
ダウンロード/ストリーミング
https://jvcmusic.lnk.to/winterplanet

■ライブ情報
むぎ(猫)プレゼンツ
『初見さんいらっしゃい!なんとなく初心に帰る猫の日ライブ』
日にち:2023年2月22日(水)開場18:00/開演19:00
場所:東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGE

むぎ(猫)オフィシャルHP

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