日常生活と共にあるNewJeansとガルクラの最新形を見せるIVE 日本ファッション誌表紙を同時に飾った両グループの特性
デビューからわずか1年以内に、K-POP第4世代を代表するガールズグループとなったIVEとNewJeans。彼女たちはそれぞれ、本日1月23日発売の女性向けファッション誌で表紙を飾っている。IVEは雑誌『ViVi』に2回目の登場(表紙を飾るのは初)、NewJeansは雑誌『SPUR』で日本では初の表紙登場となる。日韓はもちろん、世界的に大きな注目を集めている両グループ。このタイミングで改めて、彼女たちのコンセプトや音楽性に迫ってみたい。
「過去+現代」のニュートロで幅広い世代の心をつかむNewJeans
BTSなどが所属するHYBE傘下の新レーベル<ADOR>より、ミニアルバム『New Jeans』で2022年夏にデビューしたNewJeans。同グループは全員10代のメンバーで構成され、MINJI(ミンジ)、HANNI(ハニ)、DANIELLE(ダニエル)、HAERIN(へリン)、HYEIN(ヘイン)の5人が所属している。高い音楽性で世界中にファンダムを築きつつある彼女たち。最新シングル『OMG』に収録された「Ditto」では、2016年9月以降にデビューしたK-POPアーティストの中で初めて、米ビルボードの「HOT100」にランクインするという快挙を成し遂げている。
そんなNewJeansの特徴といえば、ナチュラルな少女らしい透明感と、日常生活の中にスッと違和感なく溶け込むようなリラックスした世界観を持っている点にあるのではないだろうか。ときに異世界のような物語性の高い世界観を創り込むことが多い現在のK-POPシーンでは、珍しい特徴を持つグループと言えるだろう。それもそのはずで、NewJeansのプロデュースを行うミン・ヒジンは、同グループの楽曲制作やプロモーションにおいて「これまでのK-POPシーンの定石を壊すこと」を意識したという(※1)。
NewJeansのグループ名に込めた想いについて、ミン・ヒジンは下記のように語っている。
「ポップミュージックは、頻繁に着る服に似ている。私たちの日常生活にとても近いところにある、1つの文化の形だから。NewJeansというグループ名には、毎日着ても飽きないジーンズのように、新しい時代のアイコンとなり、新しい遺伝子となりたいという願いを込めている」(※2)
このコンセプトの通り、彼女たちの楽曲には、何度聴いても飽きのこない中毒性があるように思う。1990年代~2000年代のR&Bのような懐かしさがありながら、非常につくり込まれたチャレンジングなサウンドは、幅広い世代の心をつかむ楽曲となっている。例えば、「Ditto」はメンバーのクリアな歌声と明るくも切なげなメロディラインが、まるでしんしんと雪の降る冬のような世界を思わせるポップナンバーだが、実はボルチモアクラブという80年代後半に生まれた音楽ジャンルの再解釈を試みている作品でもある。ステージ衣装でもY2Kファッションを現代版にアレンジしたものがよく見られる。NewJeansは過去のカルチャーの礎の上に、新たな「Genes(遺伝子)」を生み出そうと挑戦し続けている、そんなグループと言えるだろう。