風男塾、新曲「Baby U」で作り上げる風王との一体感 “アクドン”シーンや新アレンジの「勝つんだ!」でも広げる表現

風男塾、新曲「Baby U」での一体感

 男装ユニットのパイオニアとして活躍する7人組グループ、風男塾。今年9月24日にデビュー15周年目に突入し、アニバーサリーイヤー真っ最中の彼らが、12月14日に31stシングル『Baby U』をリリースした。表題曲「Baby U」は、ミディアムテンポの心地よいエレクトロサウンドに、ワガママな恋心を乗せたラブソング。カップリングには、歴代メンバーから受け継いだ楽曲を新アレンジで再録した「勝つんだ!(punk ver.)」と、頑張り屋なアナタに優しく寄り添う「Jellyfish」が収録されている。“人を元気にする”をモットーに掲げ、活動してきた風男塾が見せる、新たな世界とは?(斉藤碧)【記事最後にプレゼント情報あり】

ソロで歌い繋いでいくからこそ、グッとくる最後のフレーズ

――今年9月にベストアルバム『風男塾 15th Anniversary Best』を出して、ひとつ節目を迎えられましたが、今作『Baby U』はそれ以来初のリリースになりますね。表題曲を受け取った時の印象はいかがでしたか?

凰紫丈源:ベストアルバムを経てのシングル制作ということで、僕らもここからまた新たなスタートを切るような気持ちでいたんですが、実際にいただいた「Baby U」もメンバー同士で「こういう系で来たか~!」って盛り上がるくらい、新たな風男塾を見せられる楽曲だなと思いました。曲調はすごく爽やかでカッコいい感じなんですけど、歌詞は可愛らしくて、1曲の中でいろんな一面が楽しめるんですよ。なおかつパフォーマンスにも力を入れているので、何度見ても発見がある曲なんじゃないかなと思います。

胡桃沢鼓太郎:「Baby U」には独占欲が強めな男の子の本音が描かれているんですけど、僕も自分が好きな人にはくっついていたいタイプなので、歌詞を読んで共感しましたし、それこそ〈くっつきたい〉というソロパートは、僕にピッタリだなって思いましたね。個人的に、この曲はこれまでより多く歌割をもらえたんですけど、それも僕に合っている曲だから、というのが大きな理由だと思います。

風男塾インタビュー写真(胡桃沢鼓太郎)
胡桃沢鼓太郎

――確かに、鼓太郎さんは人懐っこくて、いつもメンバーにくっついている印象があります。

赤星良宗:そう、鼓太郎はゾンビみたいに追いかけてきて、無理矢理ハグしてくるんですよね。

胡桃沢鼓太郎:それで僕、メンバーに“ゾンビット”って呼ばれてるんです(笑)。でも、良宗は「いやだぁ」とか言いながらも、じつはやられたいタイプですね。僕が別のメンバーにゾンビットしてると、必ずその現場にいるんで!

赤星良宗:それはたまたま(笑)。一緒に話してることが多いからね。

胡桃沢鼓太郎:(良宗の言い訳をスルーして)いつもハグしてほしそうな顔で僕を見てくるので、「Baby U」の歌詞が一番似合うのは良宗だと思います。

一同:(笑)。

――各自の見せ場やレコーディングでこだわったことも教えてください。まずは歌い出しの関汰さんから。

柚希関汰:俺が歌い出しを担当することはあまりないので、今回の歌割は嬉しかったですね。そもそも「Baby U」の仮歌は、俺が1曲丸々録わせてもらったんですが、それを聴いたディレクターさんが「頭の2行めっちゃいいね!」と褒めてくださって、その流れで決まったパートだったんです。だから、本番のレコーディングも期待に応えられるように頑張って歌いました。あとは、唯一全員で歌っている〈選んでほしいんだ ねえずっと〉。今回はユニゾンパートが最後にしかないので、全体を通して、やっぱりここが一番の聴きどころかなって思います。

風男塾インタビュー写真(柚希関汰)
柚希関汰

――「Baby U」は歌割が細かいですよね。サビもユニゾンではなくソロですし、現メンバーで初めて歌唱した前作「Hello Hello」の展開とだいぶ違うな、と。

柚希関汰:そうですね。サビは最初、2~3人で歌うのがいいんじゃないかとスタッフさんがおっしゃっていたんですが、仮歌を録る過程で「ソロのほうがいいんじゃないですか?」と提案させてもらって。試行錯誤しながら録っていった結果、「確かにソロのほうが映えるね」と今の形になりました。ソロで歌い繋いでいくからこそ、全員で一緒に歌う最後のフレーズでグッとくると思うので、そういったところにも是非注目してほしいです。

風男塾インタビュー写真(葉崎アラン)
葉崎アラン

葉崎アラン:俺は〈Check! Check! Check! 投稿の度/Love! Love! Love! 秒でハートタップ〉という部分を歌っているんですけど、風王(ファン)のみんなが俺のツイートにこうやって反応してくれると、めちゃくちゃ嬉しいし、可愛いなって思いますね。ただ、ここは滑舌が難しい上に、音に対して言葉数が多く詰め込まれていて。この曲を初披露する時にはまだ歌詞が公開されていないので、ちゃんと聞き取れるように、わかりやすく歌うのが大変でした。しかも、頑張ってレコーディングしている俺の後ろで、いつの間にかものまね大会が始まってて……。

胡桃沢鼓太郎:投稿のたぁ~びぃ~♪ 秒でハートタァーップ♪(クセの強いものまねを披露する鼓太郎)

葉崎アラン:もぉ~(笑)!

柚希関汰:このものまねがクセになりすぎて、MVの撮影中も、アランくんのパートが来る度に笑っちゃうんですよ。でも、全員のショットだから失敗できないと思って、俺はなるべく鼓太郎くんと目を合わせないようにしてました(笑)。

凰紫丈源:その一方で、俺は関汰くんと掛け合いするパートが多かったり、鼓太郎とアランくんも掛け合いをしていたりして。そういうメンバー同士のワチャワチャ具合や、相乗効果で盛り上がっていく感じからは、王道の風男塾らしさを感じてもらえると思います。今後ライブで本格的に声出しができるようになってきたら、風王のみなさんとも一緒に歌えたらいいなと思っているので、それまでに練習しておいてください!

天堂太陽:俺の見せ場は、2サビの〈毎秒愛情倍増すんだ〉ですね。「毎秒」「愛情」「倍増」「すんだ」がそれぞれ韻を踏んでいて、歌っていても、どんどん愛情が増幅していく感じがあるので、すごく可愛い表現だなと思いました。このパートは歌いながら腕を振り上げる振付がついているんですが、俺はそういう振付が苦手なので、ダンスのほうで苦戦しました。MV撮影の段階ではまだダンスに慣れていなかったので、必死に踊って歌っている姿が収録されていて(笑)。MVの太陽も観ていただきつつ、ライブでは、成長した今の太陽を感じてもらえたらと思います。

――新メンバーにとっては2度目のMV撮影でしたが、いかがでしたか?

天堂太陽:曲の構成と同じく、MVも「Hello Hello」の時のみんなでワチャワチャ撮影していた感じとは違って、全員で撮る場面が3パターンしかなかったんです。ダンスシーンと、横並び一列で撮ったシーンと、みんなが1つのスペースに散らばって座っている画だけ。2回目のMVにして、こんなパターンもあるんだ! って驚きました。それと、今回は“アクドン”シーンがあって。

風男塾(Fudanjuku)/「Baby U」Music Video

――アクドン?

英城凛空:アクリル板越しの壁ドンで“アクドン”です。

天堂太陽:あのシーンの撮影中は、他のメンバーのアクドンを傍で観察しながら、みんなで「フゥ~!」って盛り上がっていましたね。みんな違うパターンのアクドンをしていて面白かったです。アクドン中に言っている台詞も、メンバーそれぞれ違うので、誰が何を言っているか予想してみてください。

――では続いて、凛空さんのポイントは。

風男塾インタビュー写真
英城凛空

英城凛空:俺が特に力を入れたのは、落ちサビの〈伝えきってみせる 一生かかるけど〉ですね。ここは台詞っぽいフレーズなので、メロディ重視で歌いたくはないけど、リズムに合わせないと難しかったりして、ベストな歌い方を探すのに一苦労しました。悩んだぶん、満足のいくテイクが録れてよかったです。

――凛空さんパートでいうと、2番の〈だって仕事の人と過ごす時間の方が〉(太陽パート)に続く〈多くない? ずるくない?〉も可愛かったです。

英城凛空:ここの歌詞って、めちゃくちゃわがままなことを言ってるじゃないですか。仕事だからしょうがないのに、何言ってんだ! って。でも、可愛く言ったら許してもらえるかな? と思って、全力で可愛らしさをアピールしてみました(笑)。

天堂太陽:これはもう、全力で許しちゃいますね!

柚希関汰:うんうん。で、そのものまねも鼓太郎がよくやるんですけど……。

胡桃沢鼓太郎:〈多くない?  ずるくない?〉(凛空の言い方を誇張してものまねする鼓太郎)

柚希関汰:こんな感じで、ちょっとバカにした言い方なんです。

一同:(笑)。

葉崎アラン:ちなみに、鼓太郎が〈多くない?  ずるくない?〉って言った後、良宗の〈妬けるよな〉を真似するのは俺の役目ですね。

――コンビ芸(笑)。良宗さんの〈妬けるよな〉は、MVでの表情も絶妙でしたね。

風男塾インタビュー写真(赤星良宗)
赤星良宗

英城凛空:俺は頑張って可愛くしてるのに、急に色気を出してくるよね?

赤星良宗:あえて雰囲気を変えて、コントラストをつけてみました。あと俺、今回初めてラップを担当したんですよ。ここも歌詞が〈駆け引き 建前 そんなのいらない〉って急にカッコよくなるところで、わがままボーイが腹を括って男らしい姿を見せる場面なので、大サビの〈俺だけを 選んでほしいんだ〉に繋げるという意味でも、結構重要なパートだと思っています。

――また、コントラストと言えば、冒頭でおっしゃっていた鼓太郎さんのソロパートも、途中で歌い方を変えていますよね? 〈把握したい〉はカッコよく、〈くっつきたい〉は可愛く。

桃沢鼓太郎:〈把握したい〉は独占欲が表れている歌詞なので、君は俺のだぜ! みたいな感じを出したんですけど、〈くっつきたい〉は誤魔化しながら照れ笑いをしているイメージで、ちょっとおちゃらけた歌い方にしたんです。気づいてくれて、ありがとうございます(照)。それ以外でこだわったのは、1番の〈やさしいだけじゃきっと足りない woo...〉。〈woo…〉の歌い方が独特で難しいので、そこはもっと完成度を上げていきたいですね。

柚希関汰:確かに、あそこは難しいよね。

凰紫丈源:2番の〈俺のいない時間に慣れないで hey...〉も同じような表現なんですけど、俺もこういう歌い方をしたことがなかったので慣れなくて、今も引き続き特訓中です。特に自分はもともと方言が残っていて、語尾を伸ばすクセがあるので、いつもの調子で歌うと〈で hey…〉が全部くっついて、のっぺり聞こえちゃうんですよ。〈で〉も〈hey〉も母音が一緒だから。それをリズミカルに届けるために、関汰くんの歌い方も参考にしながら、細かく語尾を区切って、滑らかだけど抑揚のある歌を意識して歌っています。

風男塾インタビュー写真(凰紫丈源)
凰紫丈源

――振付のポイントも教えてください。

柚希関汰:例えばサビの〈わがままになっていいかな〉の時に、頭の左右で手を動かしている振りで“わがまま”を表現していたり、歌詞から連想した振付が多いですね。「ここでぜひ一緒に踊ってください」というよりは、〈Check! Check! Check!〉とか〈Love! Love! Love!〉とか真似しやすい振付ばかりなので、実際にライブをやっていく中で、風王のみんなが一緒に踊ってくれることが増えてきて。今まさに、“「Baby U」の一体感”をみんなと作り上げているところですね。

風男塾インタビュー写真

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