星街すいせい、次作アルバムは“ロック”な仕上がりに? 田淵智也、キタニタツヤら豪華作家陣との挑戦を読み解く
4月1日に配信リリースされた「TEMPLATE」はキタニタツヤが作詞作曲を担当。こちらも歪んだギターのパワフルなリフに乗せた星街のシャウトが響き渡るロックナンバーだ。キタニタツヤは星街の初期のオリジナルソング「天球、彗星は夜を跨いで」を手掛け、今に至る方向性の端緒を開いたクリエイターの一人。ダークなオルタナティブ・ロックを打ち出した「天球、彗星は夜を跨いで」に続き、「TEMPLATE」もかなり鋭角なテイストの一曲。〈名前も顔も隠したアノニマスに 僕の何がわかるの?〉とオンラインのコミュニケーションがもたらす“痛み”をモチーフにしている。
11月20日には先行配信第2弾として「放送室」がリリースされた。こちらはMI8kが作詞作曲を手掛けている。やはりバンドサウンドによる一曲で、エモーショナルなメロディが聴きどころだ。これまで“星”をキーワードにしたロマンティックな世界観の楽曲も多く歌ってきた星街だが、この曲はタイトルが示唆するように思春期的な葛藤を描いた、少し泥くさいところのある一曲。痛快な宇宙活劇を描くミドグラの活動が軌道に乗ったことで、逆にソロの世界観がファンタジーからリアル寄りに移行してきていることも感じる。
また、アルバムには星街すいせいが歌うVRアドベンチャーゲーム『DYSCHRONIA: Chronos Alternate(ディスクロニア: CA)』のシリーズテーマソング「7days」のフルVerも収録される。作詞作曲は音楽プロデューサーの郡陽介。ホーンセクションを配したハイテンポできらびやかな曲調は1stアルバムから続く“星街すいせいらしさ”を感じさせるものになっている。
『Specter』の作家陣には、ボカロPとしてのキャリアを持ちネットカルチャーから活躍の場を広げてきたクリエイターで、かつロックバンドのルーツや感性を持つアーティストが集まっている。キタニタツヤ、Ayase、じん、ナナホシ管弦楽団、MI8k、宮田'レフティ'リョウあたりがまさにそういう面々だ。
おそらく、新作は低い音域を得意とし、伸びやかさと芯の太さをあわせ持つ星街のボーカルを活かした楽曲が軸になった“ロックアルバム”になっているのではないかと思われる。VTuberとして、というより一人のアーティストとして表現の幅を大きく広げつつある星街のチャレンジに期待したい。
■リリース情報
『Specter』
2023年1月25日(水)
¥3,300(税込)
<収録楽曲>
先行リリース楽曲『TEMPLATE』『灼熱にて純情』を含む全11曲を収録。
<作家一覧>
Ayase、キタニタツヤ、郡陽介、ケンカイヨシ、じん、田淵智也、ナナホシ管弦楽団、にお、ポリスピカデリー、MI8k、宮田'レフティ'リョウ
■ライブ情報
『Hoshimachi Suisei 2nd Solo Live "Shout in Crisis" 』
主催:カバー株式会社 / hololive production / hololive
制作協力:TxD / 株式会社ユークス / 株式会社ダイナモアミューズメント / 株式会社LIVE FORWARD
特別協賛:株式会社ブシロード
協賛:みるハコbyJOYSOUND
【出演者】
星街すいせい
【開催日時】
2023年1月28日(土)
現地開場 17:00 / 配信開場 17:30 / 開演 18:00
【会場】
東京ガーデンシアター(〒135-0063 東京都江東区有明2-1-6)
【現地会場チケット】
指定席:¥8,800(税込)
学生割チケット:¥5,000(税込)
<チケット情報>
1次先行(FC・ローチケ / 抽選)
・受付期間:2022年11月4日(金) 22:00〜2022年11月13日(日) 23:59
・当選確認期間・入金期間:2022年11月18日(金) 15:00〜2022年11月21日(月) 23:00
・券売開始:2022年12月24日(土)12:00〜