草彅剛、シリーズもの起用で残してきた数々の名演 6年ぶり連ドラ主演に集まる注目

 草彅剛が、いよいよ民放連続ドラマに帰ってくる。実に6年ぶりとなる最新作は『銭の戦争』『嘘の戦争』に続く“戦争シリーズ”第3弾。タイトルは『罠の戦争』(カンテレ・フジ系)だと発表された。初回放送は2023年1月16日。今から、そのスタートが待ち遠しい。

 今作で草彅が演じるのは、ある国会議員に尽くす議員秘書・鷲津亨。スキャンダルを揉み消し、必要であれば各所に頭を下げ、国会議員の“先生”のために暗躍してきた人物だ。どんな状況でも決して感情的にならない冷静沈着な男、というキャラクター設定を聞くだけでも、草彅がどのように演じるのかワクワクしてくる。

 そんな鷲津が、自分の息子が瀕死の重傷を負った事件を揉み消しするように指示されたことをきっかけに、反旗を翻す。「弱い者には弱い者なりの闘い方がある」と、知略を尽くして鮮やかな罠を仕掛けていくというのだから見逃せない。果たして、どんな結末が待っているのか。そして、このドラマを見終わったあとの私たちがどんな心境になっているのか、楽しみでならない。

 そう、草彅剛の作品には「どうなるかわからない」という楽しみがあるのだ。物語そのものの展開はもちろんだが、毎回彼の作品をみるたびに私たちが抱く“俳優・草彅剛”の印象そのものが塗り替えられていくような感覚だ。

 およそ30年にも渡って国民的アイドルとして愛されてきた草彅。きっと誰もが朗らかで、ときに自由人で、チャーミング……そんなパーソナルイメージを抱いていることだろう。にもかかわらず、演技を見るたびに「こんな顔があったなんて」とハッとさせられ、そして嬉しくなるのだ。「また、草彅剛にしてやられた」と。

 それは作品を作る側としても、この上なく嬉しいものなのかもしれない。草彅といえば、これまでもいくつかシリーズものに携わってきたことでも有名だ。なかでも、『僕の生きる道』に始まった『僕と彼女と彼女の生きる道』『僕の歩く道』の3部作、通称“僕シリーズ”は今でも多くの人の記憶に残っているところ。

 “僕シリーズ”も”戦争シリーズ”も「シリーズ」とは銘打っているものの、各ドラマが続編というわけではなく、それぞれ独立したストーリーを草彅を主演に、名バイプレーヤーと、スタッフが再集結して、作り上げるというのが大きな特徴だ。さらに、これらのシリーズを含めて、草彅×カンテレドラマは8作品目になるというから驚きだ。同じキャストやスタッフが集えば新鮮味が失われそうなところ。だが、そこを覆し続けてこられたのは、草彅の演技力の賜物といえるだろう。

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