もさを。が葛藤を経て向き合った“自分のやりたい音楽” 大事にしてくれる人へーー『Color』に込めた12色の感情

もさを。が向き合った自分のやりたい音楽

 シンガーソングライターのもさを。が、2ndアルバム『Color』を8月14日にリリースした。約1年半におよぶ活動休止期間から、2025年6月の再スタートを経て、満を持してのアルバムリリースとなる。全12曲からなる本作には、彼のパブリックイメージでもある“ラブソング”だけでなく、アーティストとしての幅が窺える多彩なテーマの楽曲が収められている。

 リアルサウンドではもさを。へのインタビューを行い、意欲作となった『Color』に込めた想いを聞いた。赤裸々に語られる言葉から、自分自身と向き合い、「今、何を伝えたいのか」を真剣に考えながら、着実にアーティストの高みへと昇っていくもさを。の現在地が見えてきた。(編集部)

「人前で歌うことにプレッシャーがありました」ーーライブへの意識の変化

ーー今年の上半期は、国内外でワンマンライブ『Melody』を開催し、『EARLY SUMMER FESTA 2026 -Music and Beer-』や『SAKAE SP-RING 2026』といったフェスへの出演。そして初のファンクラブ限定ライブ『Prologue - 秘密基地で待ち合わせ』など、とにかく多忙でしたね。

もさを。:上半期はライブ尽くしというか、いろんなことをしましたね。それこそイベントだったり、フェスだったりと初めての経験も多かったです。

ーー1月16日に東京・渋谷WWW Xで開催された『Melody』は、活動再開して初のライブだったこともあり、途中で涙を流される場面もありました。

もさを。:そうなんです。久々のステージだったので、ちょっと感極まっちゃって(照笑)。ファンの方の笑顔とか涙も見れて、僕も思わずグッときました。

ーーライブで泣くことって過去にもありました?

もさを。:いや、初めての経験でした。あの日、みんなの前で歌えて本当に嬉しかったんですよ。約1年半ほど活動休止をしていたのもあって、やっぱり離れていくファンの方も結構いたなか、「こんなに残ってくれているんだ」って。「まだ僕を好きでいてくれているんだ」と思ったら涙しちゃいましたね。

きらきら / もさを。【Official Live Performance at BIGCAT - Melody -】

ーーそれでいうと、ファンクラブ限定ライブも特別な気持ちになったのかなと。

もさを。:本当にそうで。ファンクラブに入る方って僕のことをめちゃくちゃ好きじゃないと入らないと思いますし、いつもとは違った柔らかい雰囲気でライブができましたね。僕のファンは20代前半の女性が多いんですけど、お子さんを連れて家族でライブを観にきてくれる方もいて、幅広い人に自分の音楽を聴いてもらえているのが嬉しいです。特別な気持ちといえば、フェスのステージもいつもと違った雰囲気で面白くて。フェスもライブのひとつだから、「ワンマンと一緒でしょ?」という気持ちで臨んだんですけど、全然違いました。野外で歌うこともそうですし、何よりお客さんの熱量がすごかった。「これがフェスなのか!」と肌で体感できてよかったです。

ーー6月におこなわれた、自身初となる韓国・ソウルでのワンマンライブ『Mosawo Oneman Live “Melody” in Seoul』はどうでした?

もさを。:現地のお客さんが温かく迎えてくださって、国境を越えてもこれだけの人が自分の音楽を聴いてくれているんだと感動しました。これは韓国特有の文化かもしれないですけど、ライブ中にメッセージを書いたスマホの画面を見せてくれたんですよ。日本ではないコミュニケーションが新鮮でしたね。

もさを。

ーーもさを。さんに気持ちを伝えようと、前もって日本語でメッセージを用意してくれたと思ったら、それはグッときますね。

もさを。:そうなんですよね! それだけの思いを持って会場に来てくれたんだなと、めちゃくちゃ愛が伝わってきました。なんか……あらためて上半期の活動を振り返ってみると、自分なりに成長をしているなと思います。これまではあまりライブをしてこなかったので、ステージに立つと緊張が走っていたんですけど、最近は人慣れをしてきたのかなって。ワクワクとか楽しさの方が勝っているのは大きな変化ですね。

ーー以前は楽しさよりも緊張が大きかった?

もさを。:はい。どちらかと言うと、前は「あまりステージに立ちたくないな」って感じで(笑)。そもそもが目立ちたがり屋じゃないので、人前で歌うことにプレッシャーがありました。

ーーライブを通して、自分自身が勇気をもらった曲はありますか?

もさを。:代表曲「ぎゅっと。」もそうですし、活動再開をしてから発表した「ヒロイン」の存在も大きかったです。ラブソングなんですけど、ときには喧嘩をしてしまったり浮き沈みはあるけど「それでも一緒に歩んでいくよ」と歌った内容になっていて。ファンと僕の関係も歌詞に込めているからこそ、歌いながら込み上げてくるものがありました。

ヒロイン / もさを。【Music Video】

ーーそんな「ヒロイン」も収録されているニューアルバム『Color』について聞かせてください。まず、作品全体のテーマやコンセプトは?

もさを。:最初はテーマを考えずに作っていたんですけど、徐々に曲ができていくにつれて『Color』が相応しいんじゃないかな、と思いました。というのも12曲並べてみたとき、自分が表現してなかったサウンドや歌詞を含めて、一つひとつの色が違うなと感じて。それでこのタイトルが浮かびましたね。

ーー新曲を聴いて、もさを。さんの挑戦と覚悟を感じました。

もさを。:嬉しいです。「ヒロイン」や「スノードーム」など、すでに発表している楽曲はいつも通り恋愛をテーマにしているからこそ、新たに加える新曲に関しては挑戦の意味も込めて“自分自身の葛藤”とか“一歩踏み出す勇気”など、恋愛以外に挑戦しようと思いました。あとは男性目線の歌詞もありますし、今までとは違う目線で作っていきましたね。

ーーもさを。さんと言えばラブソングのイメージが強かったので、自身のパーソナリティも曲にするんだと新鮮でした。

もさを。:これまで溜め込んでいた思いと言いますか……ずっと恋愛曲ばかり書いてきたので、どこか蓄積されていく感情もあったんですよ(笑)。それを全部吐き出しましたね。

もさを。

ーー特に表題曲の「Color」は〈染められないで 私のままで〉のフレーズなど、赤裸々にもさを。さんの気持ちを表している気がして。「ぎゅっと。」をきっかけに注目を浴びた一方で、世間からの見られ方とか認知されたことでの反動も大きかったと思うんです。

もさを。: はい、そうですね。

ーー「それでも自分はこうなんだ」と、自分らしさを貫こうとする姿勢を描いているように思いました。

もさを。:まさにおっしゃる通りで、本音を言うと「ぎゅっと。」で一気に多くの方に知っていただけたんですけど、自分が本当にやりたい音楽はそっちのベクトルではなくて。沸々とした感情を吐き出せずに、そのまま自分の心に閉じ込めていたんです。その葛藤や解放が「Color」に詰め込まれているというか、この歌詞に繋がりました。

ーーその迷いや葛藤を乗り越えられたから、今「Color」を書けたのかなと。

もさを。:そうだと思います。6年ぐらい音楽活動をしてきて、いろんな経験もしてきましたし、まだゴールを迎えたわけじゃないんですけど、新しい段階に進めたから作れた曲でしたね。

ーー「幸せとは何か」「自分に価値はあるのか」と、自問自答を重ねながら心の内側を見つめた「ココロ」も内省的な歌詞になっていますね。誰かに必要とされたい願いや、自分自身を受け入れられない苦しさを率直な言葉で綴っている印象を受けました。

もさを。:今や、みんながSNSを利用してるじゃないですか。簡単に情報が手に入る便利な時代にはなったけど、それによる弊害もあって。どうしても周りと比べてしまう傾向が強くなっていると思うんですよ。また、人と人の繋がりも少なくなった気がしていて。認められたい気持ちを持つ人が多くなってきたし、よく目につくようになった。そんな「誰かに気づいてほしい」「わかってほしい」という感情を表現しましたね。

ココロ / もさを。【Music Video】

 ちなみに「ココロ」に関しては、友達がきっかけで生まれたんです。その友達は結構な失恋をして、めちゃくちゃ病んでいて。恋に傷ついてどうしていいかわからない、と。どこに吐き出していいのか、誰に吐露していいのかもわからない。それを救うじゃないですけど「こういう気持ちだろうな」と代弁する感覚で作りました。「ココロ」の核になっているのはDメロだと思っていて。〈「ここにいるよ」〉〈「抱きしめてよ」〉とか、自分が今いる“ここ”と“心”をかけて曲のタイトルにしましたね。

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