『Paradox Live』『BAD TOWN REVERSAL』『テクノロイド』……音楽も多様化を極める令和発メディアミックスの注目作

令和発メディアミックス注目作

 アニメ、ゲーム、音楽、小説、舞台など多彩なメディアへとアプローチすることができるメディアミックスプロジェクト。SNSを効率的に稼働させることで、ユーザーとの双方向でのコミュニケーションをリアルタイムで行えることも魅力。またネットで人気のイラストレーターやミュージシャン、人気声優などを起用することによって裾野の広がりは無限大で、そこから新たなスターも生み出されている。

 近未来を舞台に9つのヒップホップチームがライブバトルを繰り広げる『Paradox Live』は、11月6日に3周年を迎える。同じくヒップホップを題材にしたコンテンツの金字塔である『ヒプノシスマイク』とは少し異なる。梶原岳人、林勇、花江夏樹、寺島惇太など歌声にも定評のある人気声優を中心にキャストが組まれているのは同様だが、天月、96猫、浦島坂田船のメンバー・志麻などの歌い手、さらにシンガーソングライターの伊東歌詞太郎といったアーティストも多数参加している。さらに各チームのキャラクターデザインを、秋赤音や小宮国春などの人気イラストレーターを起用している。

【MV】 BAE / W△vin' FL△g

 いわゆるJ-RAP/J-HIPHOPの要素もありながら、K-POPやEDM、海外のラップミュージックも取り込んだワールドワイドな視点を持ち、実に多面性を持った音楽性が特徴。これまでにシングル、アルバム合わせて20枚の作品をリリースしており、6thシングル『Paradox Live Exhibition Show』には、DA PUMPのISSA、ボーイズグループ INTERSECTIONのメンバーミッチェル和馬、SKY-HI、倖田來未がフィーチャリングで参加したことでも話題を集めた。昨年は初めて全チームが集結したリアルライブ『Paradox Live Dope Show-2021.3.20 LINE CUBE SHIBUYA-』が開催された他、舞台版『Paradox Live on Stage』の上演が行われた。来年にはテレビアニメ版『Paradox Live THE ANIMATION』の放送も予定。3周年特設サイトでは様々な企画が発表され、今後の広がりに期待が高まっている。

『テクノロイド』/ KNoCC「KNOCKIN’ ON×LOCKIN’ ON」(Short Ver.)

 昨年11月にプロジェクトが本格始動した『テクノロイド』は、すでにスマートフォン向けゲーム『テクノロイド ユニゾンハート』が配信中。アンドロイドによるライブバトルが人類を熱狂させるといった未来のストーリーで、“KNoCC”“STAND-ALONE”“メカニカメタリカ”“フランキー♡ノット”“D.M.A.”“機関紳士”といった6組のユニットがそれぞれシングルをリリースしてしのぎを削り合っている。キャストには、『ブルーロック』の主人公・潔世一役でも注目の浦和希、雑誌モデルの経験も持つ峯田大夢など新鮮な顔ぶれと、古川慎や榎木淳弥、仲村宗悟など現在の声優シーンの中核をなすメンバー。世代を超えた声優が一体となってコンテンツの魅力を輝かせている。

 また『テクノロイド』最大の注目ポイントは、作曲家・上松範康と音楽制作集団・Elements Garden、そして作詞家・RUCCAが原案と音楽を担当していることだろう。この3組の名前を観て思い浮かぶのは、『うたの☆プリンスさまっ♪』『戦姫絶唱シンフォギア』『BanG Dream!』『D4DJ』などの人気コンテンツシリーズと、水樹奈々、宮野真守、蒼井翔太など声優アーティストのヒット曲、さらに嵐、KAT-TUN、Kis-My-Ft2などのアイドルの楽曲だ。熱心なアニメ/声優ファンでなくとも、上松ら3組が携わった楽曲は、きっと知らないうちに耳にしているはず。同作にもアイドルソング/ポップス/ロック/ネットミュージックなど多彩な楽曲が制作され、音楽で胸を熱くさせてくれる。また、テレビアニメ『テクノロイド オーバーマインド』も当初は7月から放送予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い放送時期は未定とのこと。放送に期待が寄せられている。

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