宮野真守、『君の花になる』好演の裏にある声優・歌手としてのキャリア 梶裕貴との共演も話題に

 10月にスタートした本田翼主演のテレビドラマ『君の花になる』(TBS系)はボーイズグループの日常が描かれ、高橋文哉やINIのメンバーら旬なキャスト陣が出演、大きな話題となっている。劇中に登場する8LOOMは楽曲リリースに加えライブやイベント、配信番組出演など、実際に期間限定のグループとして活動をしていることも人気を集める理由のひとつだ。

 その中で毎週放送時にTwitterトレンドに上がるのが、このグループのマネージャー・添木ケンジを演じる宮野真守の好演である。宮野は声優として多くの代表作を持ちながら、歌手・俳優・タレントとしても人気実力ともにトップクラス。これまでにも『半沢直樹』(TBS系)など話題のテレビドラマや『おげんさんといっしょ』(NHK総合)などの音楽バラエティ番組にも出演し、広く名を知られている。

 声優が地上波の番組に出演することは珍しくなくなってきたが、その中でもなぜ彼はここまで大きな話題を呼ぶのか。それは今回の役柄が、彼のこれまでの活動や、持っている素地を最大限に活かせるキャラクターであったことも大きいだろう。

 宮野はこれまでも声優として多くのトリッキーな役を演じてきた。癖になるような伸びやかな声の演技の秀逸さは、ファンのよく知るところだ。何より、エキセントリックなキャラクターがユーモラスな表情の裏にシリアスな面を持ち合わせた時、より一層の輝きを放つ。

 また、彼の人気を確かなものにした一つの要素に、音楽活動があるのは間違いない。観る者・聴く者を笑顔にするエンターテイナーとしての顔、ハイレベルなダンス&ボーカルの実力を持つアーティストとしての顔、さらに強いメッセージ性やストイックなまでに深い世界観を追求する作詞家としての顔も持つ。タイアップ楽曲の作詞に関しては、作品との親和性はもちろん、彼個人の表現としてもオリジナリティが発揮されている。総じて、これまで演じてきたキャラクター同様、彼の作り出すエンターテインメントは多面性があり、その深い世界観を愛さずにはいられないのだ。

 今回のケンジという役も、トリッキーにコミカルな面を担いつつ、“元アイドル”であり音楽への情熱を持っている(“元アイドル”というキャラの背景は、“宮野真守似のアイドル”雅マモルを思い起こさせ、思わず笑ってしまった人も多かったのではないだろうか)。また、グループのメンバーにボイストレーニングを行うシーンなどでは、声優・歌手としてトップを走る宮野の声と才能が生かされている。“宮野真守”というアーティストの音楽への想いを知る者にとっては、ボーイズグループの成長を見守る彼の演技にどっぷりと感情移入できるのではないだろうか。

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