声優シーン活況の理由はYouTubeにあり? 人気コンテンツから個人チャンネルまで、広がり続ける活躍の場

 バラエティ出演から楽曲リリース、映画やドラマ出演など、様々な分野での活躍が目覚ましい声優。声優が裏方としての活動を越えてメディア露出することは最近始まったことではないが、特にここ数年、その多岐に渡る活躍が目立っている。その理由のひとつとして挙げられるのは、YouTubeでの活動の活発化だろう。パンデミックの影響もあり、多くの声優やアーティスト、事務所が力を入れるようになったYouTubeでの発信。影響力のある音楽チャンネルの登場や声優にフォーカスした企画、声優個人でのチャンネルの活用が幅広い活躍をより印象づけている。

 2019年11月から始まった『THE FIRST TAKE』(以下、『TFT』)は、声優のYouTubeでの音楽活動を語る上でも欠かせない。今やYouTubeでの音楽コンテンツを代表するような存在となっている『TFT』は、それまでアーティスト公式チャンネルが公開するMVやライブ映像が音楽コンテンツの多くを占めていたYouTubeにも、ここでしか見ることのできないオリジナルの音楽コンテンツがあることをユーザーに周知させた存在でもある。

 ベテランアーティストから注目の若手まで幅広いアーティストを取り上げ、その都度、従来のファン以外にも魅力を届けている『TFT』。2021年に登場した声優の雨宮天は、『理系が恋に落ちたので証明してみた。』(TOKYO MXほか)オープニングテーマ「PARADOX」と『七つの大罪 憤怒の審判』(テレビ東京系)第2クールオープニングテーマ「永遠のAria」をパフォーマンス。その迫力ある歌声と2曲で見せる表現のギャップが、声優ファンを越えて大きな話題を呼んだ。

雨宮天 - PARADOX / THE FIRST TAKE

 今年3月から始動したYouTubeチャンネル、『CrosSing』でも声優の歌声を聴くことができる。『CrosSing』は、各業界で活躍するアーティストの声を届けるカバーソングプロジェクト。アニソンアーティストやVTuberなど、声優以外にも幅広く取り上げる本プロジェクトでは、これまで内田真礼や鬼頭明里、花澤香菜など人気声優が登場している。いきものがかり「ブルーバード」やsupercell「君の知らない物語」など、長く愛されるアニメ主題歌がカバーされており、歌唱後に収録されたインタビュー動画では原曲への想いや思い出なども語られる。名曲が声優によるカバーで印象を変えるという意味でも、楽曲に対する想いやレアなカバー曲歌唱が聴けるという意味でも見ごたえのあるプロジェクトだ。

内田真礼 - ブルーバード from CrosSing

 テレビ朝日による公式YouTubeチャンネル『動画、はじめてみました』にて配信中の『アニソン神曲カバーでしょdeショー!!』でも、声優らによるカバー曲を楽しむことができる。田所あずさが歌うDo As Infinity「君がいない未来」や、土岐準一によるDISH//「No.1」など、新旧のアニメソングを声優がカバー。オーイシマサヨシが1人9役でSnow Man「Grandeur」を歌唱するなど、バラエティ的な要素も含めて楽しむことができる。

【田所あずさが『犬夜叉 完結編』OP曲を初カバー❗️】Do As Infinity「君がいない未来」を熱唱🎤【アニソン神曲カバーでしょdeショー‼️】
 

 芸人やアイドル、タレントなどによるバラエティ動画番組が豊富な『動はじ』では、声優に関するコンテンツもカバー曲の歌唱動画に留まらない。トークバラエティの動画も多く、普段なかなか見ることのできない、声優同士の和気あいあいとしたトークの様子や裏話なども公開中だ。

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