伊藤美来が語る、ハロハピ 弦巻こころ役を通して身につけたポジティブ思考 「私自身たくさん救われてきた」

伊藤美来、弦巻こころとの5年間

「こころに出会う前を思えば、私はこんなに明るくなかった(笑)」

ハロー、ハッピーワールド!『えがおのオーケストラっ!』Music Video

ーーそのコツを掴めた瞬間はあったんですか?

伊藤:やっぱり収録の回数を重ねていくにつれて、どんどんわかるようになりました。あと、その途中途中で楽曲レコーディングも入ってくるので、そこでもキャラのことを考える時間をいただけて、私自身もいつの間にかこころに引っ張られていたのかもしれません。それこそ私生活で少しポジティブな考え方ができるようになったりとか、そういう力がこころにはあるなと思います。

ーーもともとの性格的には、伊藤さんご自身と近いところがあったんですか?

伊藤:いえいえ。こころに出会う前を思えば、私はこんなに明るくなかったなと思います(笑)。当時は20歳というのもあったし、いろんなことに対して不安があって、「これやって大丈夫かな?」と思うこともあったんです。でも、こころがそんな私を引っ張り上げてくれたというか。それこそ、こころが何気なく言った言葉にほかのキャラが救われているように、私自身もたくさんこころに救われてきました。

ーーでは、“弦巻こころの歌声”に関してはいかがでしょう?

伊藤:実は、ハロハピとしての最初のレコーディングが、こころのセリフ収録よりも前だったんですよ。なので、このレコーディングでキャラを決めるぐらいの勢いでした(笑)。「まず思ったとおりにやってみてください」ということで歌ってみたんですが、そのあとに「もっと派手にやっていいです」「もっと思い切ってやってください」というディレクションが加わっていったんです。もちろんRoseliaとポピパ(Poppin'Party)がすでに存在していて、そこに3バンド(ハロハピ、Afterglow、Pastel*Palettes)が加わるということで、ほかのボーカルの子たちとの差別化も考えなくちゃいけないし、そこでのバランスというのもありましたが、「一番はっちゃけて、飛び抜けて元気で、ちょっと音が外れていてもいいから表情を優先してほしい」と。うまく歌うとかそういうことではなく、自分が一番楽しくて、笑顔を届けるというその気持ちだけでまずは作っていきました。

ーーそこって5年経った今もまったくブレていないですよね。

伊藤:そうですね。こころの気持ちが変わらず筋が通っているからというところもありますし、ひとつそういう指針があると何を歌うにもすごくやりやすいんです。

ーーそれにしても、いきなりハロハピのボーカルレコーディングから始まったことには驚きました。

伊藤:レコーディングでも、歌なのかセリフなのかわからないようなテイクが採用されていて(笑)。「歌でここまでやっていいなら、セリフのときはもっとやっていいんだ」とそこで感覚が掴めた気もして、すごくドキドキしたレコーディングではありました(笑)。ただ、最初のレコーディングが終わったあとに、「やりすぎた!」とめちゃくちゃ後悔した記憶があります。こころの声で歌うことは結構体力を使うので、「これから大丈夫かな?」と不安を覚えたこともありましたが、今では曲数を重ねてだいぶ鍛え上げられましたね(笑)。

ーー「えがおのオーケストラっ!」を今改めて聴くと、ご自身で感じることって何かありますか?

伊藤:現在の楽曲と大きくは変わっていない気はしますけど、やっぱり懐かしいですよね。『ガルパ』に出会った頃のことをすごく思い出します。あと、なんとなく(テンポが)ゆっくりだなと感じられて。今はすごく速い曲が多いので、それこそ行進曲って感じの曲だなと思います。

ーーこころのキャラクターから伊藤さんご自身もポジティブになれたというお話がありましたが、そのほかにこころから受けた影響は何かありますか?

伊藤:それこそ、ライブをするにあたっての心構えもそうですね。以前はキャラクターでステージに立つことにも、伊藤美来としてステージに立つことにもすごく緊張して、習った振り付けや歌い方、練習してきたことを一つひとつ間違えちゃいけないという気持ちで緊張することが多かったんです。でも、初めてこころとしてステージに立ったときは本当に自由にやらせてもらえたんです。「好きなように動いていいですし、好きなように歌ってください。どこでバンドと絡んでもいいです」みたいに任せてもらえたことで、最初に感じていた不安も「こころだったらどうするかな?」と考えることで「実は何も考えないんじゃないかな?」と気づいて。その場の空気で音楽を楽しんで、特に決まり事も作らず、MCでも好きなことを喋って、突拍子もないことを言って場を凍り付かせようが(笑)、振りや歌詞を全部すっ飛ばそうが「それもこころだし」と考えたときに、心がすごく楽になりました。こころと出会っていなかったら、そこに気づくには相当時間がかかっただろうなと思います。

 だから、今まで出演した『バンドリ!』ライブでは本当に好き勝手やらせてもらいました(笑)。場所が武道館だろうが神戸ワールド記念ホールだろうが、こころだったら何をやっても怒られないだろうという気持ちで、そのステージを一番楽しむんだという気持ちで臨めましたね。

ーー普通だったら武道館という舞台を前にしたら、萎縮してしまいますよね。

伊藤:震えますよね。私も絶対に緊張すると思ったんですけど、武道館のときも全然緊張しなくて、ステージに出た瞬間ホームみたいな気持ちになって。マリオでいうスター状態みたいな(笑)、何をしても大丈夫みたいな気持ちになれたんです。

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