May J. “楽曲カバー”をライフワークとして続ける理由 「もう否定的な意見もまったく気にしていない」

May J.、楽曲カバーを続ける理由

マーチン(鈴木雅之)&鈴木聖美のデュエットに受けた衝撃

ーー「ロンリー・チャップリン」はクリス・ハートさんとのデュエットになっています。これまでもクリスさんとはコラボ経験がありますけど、今回フィーチャーした理由は?

May J.:いや、この曲をカバーするとなった瞬間に、もうクリスしか頭に思い浮かばなかった(笑)。最近、クリスとお仕事で一緒になることが多くて、「またコラボしたいね」と話していたんですよ。なので、今回声をかけたら「いいよー」と二つ返事で引き受けてくれました。私の声はクリスと相性がいいと思っているし、どんな曲でも歌えるクリスの対応力が何より素晴らしいですからね。「ロンリー・チャップリン」をカバーするにあたって大事にしたかったソウルフルな雰囲気も、きっとクリスだったらしっかり出してくれるだろうなっていう思いもありました。

ーー楽曲自体になじみはあったんですか?

May J.:デビュー当時、ゴスペラーズさんや鈴木雅之さんが出演されていた『SOUL POWER』というのイベントに呼んでいただいたことがあって。そのときにマーチン(鈴木雅之)さんと鈴木聖美さんがこの曲をデュエットされているのを間近で観て、「わ、なんて大人なんだ!」とめちゃくちゃ感動したんですよ。音源とは違うフェイクを織り交ぜたりとか、決まり事なんて一切ない、その場で出てきたソウルフルな歌声をお二人が出しているのが本当に衝撃的だったんです。そのときから「あんな大人になりたい」とずっと思ってきた私が、今回ついにトライさせていただきました。お二人に比べればもちろん全然まだまだですけど、今の自分ができる最大限のソウルを、クリスと一緒に出してみました。

ーーこの曲はもう完全にMay J.節全開ですよね。節回しもだいぶ変わってる部分がありますし。

May J.:思いきりR&Bな歌い方してますよね。フェイク部分とか、歌のニュアンスを大胆に変えているところもあるんですけど、それは16年前にマーチンさんと聖美さんがCDバージョンに縛られず、自由に歌っているのを間近で観た経験があったからこそ。あまり崩しすぎるのはダメだと理解しつつ、でもけっこうオリジナルとは違っている部分もあると思います。

ーーレコーディングではクリスさんと一緒に歌われたんですか?

May J.:いや、私が先に録ったものを聴いてクリスに歌ってもらいました。いろいろニュアンスを変えた部分も、きっとクリスだったら上手く合わせてくれるだろうと(笑)。原曲とはかなり違う部分もあるので大変だったとは思うんですけど、ちゃんとクリスなりに乗ってきてくれて、本当に素敵なボーカルを入れてくれましたね。そもそも原曲からキーをかなり上げているので、男性としてはきつかったと思うんですよ。でも、クリスは「全然いいよ。大丈夫だよ」と言ってくれて。あらためてクリスのすごさを感じましたね。

ーーお二人が出演されているMVもいい雰囲気ですよね。

May J.:正しい解釈はわからないですけど、この曲の女性って、遊んでいる男の人を広い心で受け止めているような印象があったんですよ。なので、そういう大人な女性の気持ちを意識した表情を出してみました。クリスに対して、「わかってるわよ」みたいな視線を送るっていう(笑)。

ーーで、それを受けたクリスさんがまたいい表情を見せてくれていて(笑)。

May J.:あははは。実際のクリスはめっちゃ誠実だから、この曲から私が受け取った男性像とは違うんですけど、でも私に合わせて演技してくれている感じですよね。撮影は本当に和やかに進みました。合間には最近聴いている音楽の話をしたりとか、そういう時間も楽しかったですね。

ーー今回、昭和から平成初期の名曲カバーを1枚にまとめてみて、何か感じることはありましたか?

May J.:特に昭和の曲に顕著ですけど、説明しすぎていない歌詞が多いなっていう印象がありましたね。限られたメロディの中にパズルのようにはめ込まれている言葉がとにかく強いものばかりだし。どの曲も「この言葉以外ないよね」と思える作詞がなされていて、ストーリー性もしっかりある。まるで1本の映画を観たくらいの風景を感じさせてくれる曲ばかりだなって思いました。

ーーそこから受け取ったイメージが、アルバムタイトルの“Bittersweet”という表現に繋がったところもあったんですかね?

May J.:そうですね。タイトルはすごく悩んだんですよ。発端である「スナック橋本」にかけたほうがいいのかなとか(笑)。ただ、今回は、失恋を歌ったものであったり、ちょっとほろ苦い曲が多い印象があったので、“Bittersweet”という言葉がぴったりかなと思って。あと、40代から上の世代の方は原曲を聴いていた時代のことを、このアルバムを通してふと思い出すこともあると思うんですね。そこにはきっとほろ苦さもあると思ったので、そういった意味も込めてみました。

ーー今後もライフワークとしてカバーを続けていきたい気持ちが強いですか?

May J.:うん。だって、May J.はカバーの女王ですから(笑)。カバーはもはや自分にとって欠かせないものなんですよ。自分からは出てこないメロディや歌詞を歌うことで、いろんな刺激を受けるし、そこには大きな学びもある。カバーをすることで新たな自分に出会えることも多いし、原曲を知らない人たちに届けられるという部分でのやりがいも大きいですからね。そう考えると、いいことしかない。しいて言えば「カバーばっかりやってる」と言われることが悪い点だけど(笑)。

ーーでも昨年にはご自身のクリエイティビティを存分に注ぎ込んだ9枚目のオリジナルアルバム『Silver Lining』という渾身のオリジナルアルバムもリリースされましたし。そんな偏見はもうないような気がしますけどね。

May J.:うん。オリジナルもカバーも、両方をいい形で見せられていると思うので、今はもう否定的な意見もまったく気にしていないです。これからもカバーという形で、いろんな名曲を歌い継いでいきたいなって思っています。

■リリース情報
カバーアルバム『Bittersweet Song Covers』
2022年11月9日(水)リリース
https://avex.lnk.to/BSSC_CD

[CD+DVD] RZCD-77617/B ¥5,500(税込)
DISC.1【CD】
01 ウイスキーが、お好きでしょ
02 ロンリーチャップリン with クリス・ハート
03 土曜の夜はパラダイス
04 RIDE ON TIME
05 木綿のハンカチーフ
06 元気を出して
07 フライディ・チャイナタウン
08 異邦人
09 メロディー
10 初恋
11 想い出がいっぱい
12 埠頭を渡る風
DISC.2【DVD】
01 ロンリーチャップリン with クリス・ハート [Music Video]
02 土曜の夜はパラダイス [Music Video]
03 メロディー covered by May J.
04 元気を出して [Music Video]
05 RIDE ON TIME [Music Video]
06 異邦人 [Studio Session Clip]

[CDアルバム] RZCD-77618 ¥3,300(税込)
【CD】
01 ウイスキーが、お好きでしょ
02 ロンリーチャップリン with クリス・ハート
03 土曜の夜はパラダイス
04 RIDE ON TIME
05 木綿のハンカチーフ
06 元気を出して
07 フライディ・チャイナタウン
08 異邦人
09 メロディー
10 初恋
11 想い出がいっぱい
12 埠頭を渡る風

▶各CDショップ特典情報はコチラ
https://www.may-j.com/news/detail.php?id=1102542
▶オフィシャルファンクラブショップ特典情報はコチラ
https://www.may-j.com/news/detail.php?id=1102541

■ライブ情報
『May J.azzy Christmas Billboard Live Tour 2022』

2022年12月1日(木)東京都 Billboard Live TOKYO
[1st]OPEN 17:00 / START 18:00
[2nd]OPEN 20:00 / START 21:00

2022年12月6日(火)神奈川県 Billboard Live YOKOHMA
[1st]OPEN 17:00 / START 18:00
[2nd]OPEN 20:00 / START 21:00

2022年12月20日(火)大阪府 Billboard Live OSAKA
[1st]OPEN 17:00 / START 18:00
[2nd]OPEN 20:00 / START 21:00

May J. official HP:https://www.may-j.com/


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