石田ゆり子=lily、初ステージの緊張の中で届けたあたたかな歌声 『TRIO ERA 2』大橋トリオとのパフォーマンスを観て

石田ゆり子=lily、初ステージを観て

 そして2度目の登場となったのは、アンコールの"マイク1本コーナー"。同コーナーは大橋のライブではこれまでも行われており、その名の通り大橋含めたバンドメンバーが一つのマイクに向かって歌唱・演奏するという企画となる。

 大橋が再びlilyをステージに迎え入れ、二人とバンドメンバーが一つのマイクを囲んで「真夜中のメリーゴーランド」を披露。この曲は、プロデュースを始めた初期の段階で、lilyの歌声を確認するために歌ってもらった楽曲だという。軽快なリズムに乗せて、1本のマイクを挟んで歌うlilyと大橋。2人のユニゾン、コーラスにおける声の重なり合いがとても美しい。また、2人の歌声を、アコースティックギター、アコーディオン、マンドリン、サックスのサウンド、そしてKitriの2人によるコーラスが彩りを加えていく豊潤なアレンジも感動的だった。そうしたたくさんのミュージシャンに囲まれながら歌うlilyの表情からは、このかけがえのない時間を心から楽しんでいる気持ちが伝わってきた。最後には神谷が叩いたシンバルを落としてしまうというハプニングも相まって、lilyのパフォーマンスは大盛り上がりの中で幕を閉じた。

 今回の初ステージで披露されたのは2曲のみで、まだライブで披露されていない楽曲はいくつも残っている。女優としての一面ではなく、ミュージシャンとしての一面をもっと見たいと望むファンは多く、そして今回のライブを観て、その気持ちがさらに強まった人は間違いなくいただろう。短い時間ではあったが、今後のライブ活動や新曲への期待が高まるような、素晴らしいパフォーマンスだった。

※1 https://realsound.jp/2022/10/post-1162440.html

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