大型タイアップ続々起用、サブスク好調……りりあ。の勢い増す活躍ぶりに迫る
シンガーソングライター・りりあ。が新曲「イツメン。」を配信リリース。友情をテーマにしたこの曲は、これまで切なく、愛らしいラブソングで支持を得てきた彼女にとって、新境地と呼ぶべき楽曲だ。
まずはこれまでのキャリアを簡単に紹介しておきたい。2019年秋頃からTikTokやYouTubeで弾き語り投稿を始めたりりあ。は、ラブソングを中心にしたカバー、繊細で奥深い歌の表現で注目を集め、2020年5月に初のオリジナル楽曲「浮気されたけどまだ好きって曲。」を配信。友達からのLINEがもとになったこの曲は、YouTube再生回数1300万回を超え、驚異的なロングセールスを続けている。
同年11月に、ファンとSNSでやり取りしながら制作した「蛙化現象に悩んでる女の子の話。」で、TOY‘S FACTORYの新設レーベル<VIA>からメジャーデビュー。今年5月には1st EP『記録』を発表した。1曲目に収められた「君の隣で。」は現役高校生たちが出演する人気恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。初虹編』(ABEMA)の挿入歌に起用。TikTokで1300万回再生を突破し、10代~20代を中心に圧倒的な評価を得ている。
映画、アニメなどの楽曲を担当することも増えている。今年4月に配信された「じゃあね、またね。」は、全国の劇場とNetflixにて全世界配信された大型アニメーション映画『バブル』エンディング主題歌。アコギと歌で紡がれる〈じゃあねまたね/「じゃあねまた明日」があなたに言えなくなった日〉からはじまるこの曲は、大切な人と離れてしまった後の日々を叙情的に描いたミディアムバラード。楽しみにしていたことも、新しい約束をすることも叶わなくなり、それでも“あなた”を忘れることができない。その根底にあるのは〈これからも好きは募ってく〉というあまりにも切ない感情だ。りりあ。は、映画『バブル』のヒロイン・ウタの声も担当。重力のバランスが崩れた未来の東京を舞台にしたこの映画のなかで彼女は、物語の鍵となるウタの声を繊細に演じている。
今年7月にリリースされたTVアニメ『サマータイムレンダ』のエンディングテーマ「失恋ソング沢山聴いて 泣いてばかりの私はもう。」も話題だ。前述した通り、切ないラブソングで支持を得てきたりりあ。だが、この曲で彼女は、過去の失恋を乗り越えようとする女性を描いている。それを象徴しているのが〈どこに行っても/君を思い出しちゃうの/もうやめたいよ〉というフレーズ。強い意志を感じさせるボーカル表現、ダイナミックなギターソロなど、これまでにはあまりなかった要素が加わっていることにも注目してほしい。アニメ『サマータイムレンダ』は、小さな離島を舞台にしたSFサスペンス。主人公の網代慎平(声:花江夏樹)、“影”になってしまった小舟潮(声:永瀬アンナ)の関係と同曲から伝わる切なさのコントラスも興味深い。