日向坂46、ENHYPEN、A.B.C-Z、大森靖子、CHiCO with HoneyWorks……10月26日リリースの新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は10月26日リリースの日向坂46『月と星が踊るMidnight』、ENHYPEN『定め』、A.B.C-Z『#IMA』、大森靖子『超天獄』、CHiCO with HoneyWorks『iは自由で、縛れない。』の5作品をピックアップした。(編集部)

日向坂46『月と星が踊るMidnight』

 前作『僕なんか』以来、約5カ月ぶりとなる日向坂46のニューシングル表題曲は、疾走感のあるサビが印象的なナンバー。一期生の齊藤京子が、冒頭から難易度の高い低音ボイスでソロ歌唱を披露し、日向坂46としては初のセンターを堂々と務め上げた。〈今 僕たちは僕たちは憂う/このままじゃこのままじゃダメだ〉〈誰に何言われても 僕たちはまだまだ諦めない〉など、困難に立ち向かおうとするかのような力強く真摯な歌詞は、これまでのガーリーなイメージを一新する新鮮さ。四期生を迎え新たなスタートを切った彼女たちの決意の表れのようにも聴こえる。カップリングには、オールディーズロック調の「HEY!OHISAMA!」のほか齊藤のソロ曲「孤独な瞬間」や、四期生の楽曲「ブルーベリー&ラズベリー」、ユニット曲「その他大勢タイプ」「10秒天使」を形態別に収録。(渡部)

日向坂46『月と星が踊るMidnight』

ENHYPEN『定め』

 韓国、日本、アメリカ、オーストラリア出身という多国籍7人組グループ、“グローバルK-POPライジングスター” ENHYPENから日本1stアルバムが届けられた。『定め』とタイトルされた本作には、日本デビューシングル『BORDER : 儚い』、日本2ndシングル『DIMENSION : 閃光』(2作連続オリコンチャート1位を獲得)の楽曲を中心に収録。モータウンサウンドの進化系「Always」、シティポップ的な文脈を感じさせる「Polaroid Love」(CDのみ収録)など、全10曲となっている。リードトラック「Future Perfect (Pass the MIC) [Japanese Ver.]」は、2010年代以降のトレンドの一つであるドリルミュージックを感じさせるヒップホップ。鋭利にして重厚なトラックとともに「自分の足で立ち、自分の声で叫び、自らの未来を切り開きたい」という真摯なメッセージを放っている。キュートでポップな一面も見せていたこれまでのENHYPEN像を刷新する、強靭なナンバーと言えるだろう。(森)

ENHYPEN (엔하이픈) 'Given-Taken [Japanese Ver.]' Official MV

A.B.C-Z『#IMA』

 今年8月から9月にかけて10周年記念ツアー『A.B.C-Z 10th Anniversary Tour 2022 ABCXYZ』を行ったA.B.C-Zのニューシングル表題曲「#IMA」は、大黒摩季の作詞作曲によるミドルバラード。憂い、切なさ、優しさを内包するようなメロディラインとともに描かれるのは、時間の経過とともに変わらざるを得ない“君”との関係。先が見えない状況のなかで、自分の弱さに戸惑いつつも、それでも“今”を抱きしめていたい。そんな複雑で奥深い感情を歌い上げる、大人のラブソングに仕上がっている。特に冒頭のフレーズに生々しい律動を与える橋本良亮のボーカルは絶品だ。ダンスの振り付けは、メンバーの五関晃一が担当。繊細にしてシックな雰囲気のパフォーマンスからも、5人の成熟ぶりを感じてもらえるだろう。(森)

A.B.C-Z「#IMA」ミュージックビデオ

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