AKB48、武道館での柏木由紀プロデュース公演を振り返る 歴史や奥行きとともに伝えたグループ背負うメンバーの現在

AKB48、柏木由紀プロデュース公演レポ

 10月9日に日本武道館で『MX祭り!AKB48 60th Single「久しぶりのリップグロス」発売記念コンサート in 武道館 2022 柏木由紀プロデュースコンサート ~僕はずっと忘れない~』が開催された。このコンサートは最新シングル『久しぶりのリップグロス』のリリースに先駆けて、10月7日から3日連続で行われた日本武道館公演の最終日を飾るものだ。AKB48単独での日本武道館コンサートは9年6カ月ぶり、また柏木がプロデュースするライブとしては昨年5月以来となる。

 overtureののち、まずはシングル表題曲「久しぶりのリップグロス」が披露され、センターを務める千葉恵里をはじめ総勢79人が登場してコンサートは開演。ステージ上のメンバーたちの配置を楽曲ごとに入れ替えつつ、「重力シンパシー」「言い訳Maybe」「君のことが好きだから」「大騒ぎ天国」と繋いでいく。AKB48が描いてきた王道のアイドルソングをこの冒頭ブロックで提示、時代を築いてきたグループの力をあらためて確認する圧巻のオープニングとなった。

 最初のMCを挟んだのち、各チームでのパフォーマンスからスタートする中盤ブロックでは、16曲連続で楽曲が披露される。現行の向井地チームA、田口チームK、浅井チームB、倉野尾チーム4がそれぞれに、自チーム楽曲と他チームの楽曲を続けて披露。次いで17期生がオーディション時の課題曲だった「大声ダイヤモンド」、そして「ここがロドスだ、ここで跳べ!」をパフォーマンスする。

 ここからユニットコーナーに入り、本田仁美、大西桃香、佐藤綺星の3人に、ダンスチーム Fabulous Sistersがゲスト出演した「制服レジスタンス」や、岡部麟、向井地美音、武藤十夢、茂木忍の4人が新鮮かつ安定感のあるバランスで上演したNot yetの佳曲「週末 Not yet」などが披露された。これまでのグループ派生ユニットの作品も含め、楽曲のチョイスとメンバーの妙によって、MCなしのノンストップパートに豊かな起伏を作り、AKB48ならではのバリエーションを見せつける。また、柏木、大竹ひとみ、岡田奈々、小田えりな、浅井七海、村山彩希の6人は「ポニーテールとシュシュ」をアカペラバージョンで歌い、夏曲のクラシックに新たなイメージを描き出す。AKB48の楽曲のアーカイブと現役メンバーの個性、演出とが相まって、柏木プロデュースだからこその景色が次々と生まれていった。

 同ブロック終盤、スクリーンに柏木を捉えたVTRが映し出され、「最近、AKBらしいことしてます?」という彼女の問いかけとともに、“くじ引きセンター”の企画が発表される。福引等で用いられる回転式の抽選器でメンバーたちが順々にくじを引く映像が差し込まれたのち、当たりを引き当てた下口ひなな、髙橋彩音、そして17期研究生・正鋳真優の3人がそれぞれにセンターを務める楽曲が披露される。センターとなるメンバーごとに柏木が楽曲をセレクトし、下口には「RIVER」、髙橋には「11月のアンクレット」、正鋳には「Choose me!」を充て、メンバー各々の醸す雰囲気や適性を伝える選曲でこの企画を意義深いものにして中盤ブロックを締める。

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