AKB48、武道館での柏木由紀プロデュース公演を振り返る 歴史や奥行きとともに伝えたグループ背負うメンバーの現在

AKB48、柏木由紀プロデュース公演レポ

 センターに立つメンバーを通じた物語が一層明快に現れたのは、本編最終ブロックだった。「久しぶりのリップグロス」選抜メンバーによるパフォーマンスで始まった同ブロック。村山の歌い出しによる「憧れのポップスター」ののちに披露された「チャンスの順番」では、今回のシングルで加入11年目にして初めて表題曲の選抜メンバーとなった茂木がセンターを務めた。かつて日本武道館での「19thシングル選抜じゃんけん大会」を踏まえて制作された同曲が新しい文脈を担い、茂木の歩みを祝福するように響く。さらに「#好きなんだ」「Everyday、カチューシャ」「さよならクロール」とシングル表題曲でラストスパート、「草原の奇跡」でコンサート本編は終了した。

 アンコールでは、「オネストマン」「少女たちよ」そして武道館のステージで大きな円陣を組んだ「転がる石になれ」で再度、場内の熱量を一気に高めた。その後、MC中の緊急告知では18期生のオーディション開催が発表される。17期加入から5カ月での新メンバー募集となったが、柏木は「17期がこれだけ成長してくれたから、新しい子をもっと入れたいとなったんだと思う」とステージ上で彼女たちを讃えてみせる。そして、アンコールのラストでは「ギンガムチェック」が歌われ、コンサートはフィナーレを迎えた。AKB48の歴史と奥行きを当事者として、またアイドルファンとして熟知し俯瞰する柏木のプロデュースのもと、AKB48を背負うメンバーたちの現在と、グループとしての蓄積の豊かさとを映し出す公演となった。

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