伊藤美来、成長づくめな5周年を経て ライブツアー『What a Sauce!』で繰り広げた挑戦の舞台裏

伊藤美来、最新ライブツアー舞台裏

 声優 伊藤美来が、誕生日となる本日10月12日にライブBlu-ray『伊藤美来 Live Tour 2022 『What a Sauce!』」と、MV集Blu-ray『ITO MIKU Music Video Clips』をリリースした。

 ライブBlu-rayには、2022年4月16日に東京国際フォーラム ホールAで開催した『伊藤美来 Live Tour 2022 「What a Sauce!」』の模様が、MV集Blu-rayには1stシングル曲「泡とベルベーヌ」から10thシングル曲「青100色」までの歴代シングル曲のMVがコンプリートされている。

 歌手デビュー5周年を経て、6年目へと突入した伊藤美来。楽曲リリースやライブをはじめ、時には作詞、直近では作曲にも初挑戦するなど、ソロ歌手としての幅を広げてきた。この5周年の集大成を感じられる2つの映像作品とともに、さまざまな成長を経験したという周年イヤーを振り返ってもらった。(編集部)

「降りるまでは怖くて何も喋れなくて……」

ーーライブBlu-ray『ITO MIKU Live Tour 2022「What a Sauce!」』には、今年4月の東京国際フォーラム ホールAでのライブが収録されています。大阪と東京で行われたこのライブで、伊藤さんはどんなメッセージを届けたい、どんなステージを見せたいと考えましたか?

伊藤美来(以下、伊藤):やっぱりアーティストデビュー5周年の節目でもあったので、今まで応援してくれた人たちに感謝の気持ちと、幸せな気持ちを届けられたらいいなというのと同時に、「ここまで大きくなったよ」みたいな姿も見せられたらいいなと漠然と思っていました。

ーーセットリストを拝見すると1stアルバム『水彩~aquaveil~』、2ndアルバム『PopSkip』からの楽曲が多めに含まれており、「初期と比べて今はこれだけ表現できるようなりましたよ」と、いう成長の見せられる内容だったのかなという印象を受けました。

伊藤:前回のライブ(2021年3月開催の『ITO MIKU Live Tour 2021 Rhythmic BEAM YOU』)は3rdアルバム『Rhythmic Flavor』をひっさげてのライブだったんですけど、今回はシングル「パスタ」のイメージでライブを作っていて選曲的には自由度が高かったので、私が伝えたい感謝とかここまで成長しているっていうことがマッチするようなセットリストを一生懸命考えました。

ーーアルバム3枚にシングル10枚と、手札も増えましたよね。そういう意味でも選曲における選択肢も増えたのかなと。

伊藤:それもあって、だいぶ迷いました。それはありがたい悩みなんですけどね。特に今回は「What a Sauce!」というタイトルもあって、パスタや食べものをテーマに食事に関連した楽曲をまとめたブロックとか、成長を見せるという意味で大人っぽい曲を集めたブロックとか、セクションごとにテーマを決めてセットリストを組んでいったんです。

ーー確かに、そういう点からコンセプチュアルな構成だなとも感じていたんです。それもあって、全体の流れとしても気持ちよかったんですよね。

伊藤:ああ、よかった。伝わっていたらいいなあと思っていたので、そう言っていただけて安心しました。

ーーMCでもおっしゃっていましたが、東京国際フォーラムは思い出深い会場なんですよね。

伊藤:はい。個人としては4年前にホールCでライブ(2018年9月30日開催の『ITO MIKU 4th Live Miku's Adventures 2018 ~Live is Movie~』)をしているんですが、そのときは台風が影響して会場に来ることができなかったお客さんもいたんです。だから、そのときに「このホールCを絶対満席にさせよう!」と思っていたんですけど、そこから急にホールAという大きな会場になって……絶対無理だと思いました(苦笑)。ホールAにはコンテンツのライブで立ったことがあったんですけど、そのときは出演者が大勢いたから、ひとりで立つなんて無理だと。でも実際に立ってみると、すごく広かったけど歌っていてすごく気持ちよかったですし、お客さんもたくさん集まってくれて、素直にうれしかったです。

ーーステージから見える景色やパフォーマンスしているときの感覚は、例えばその1年前のパシフィコ横浜とはどういった違いがありましたか?

伊藤:なんだろう……海が近いか遠いか(笑)?

ーー(笑)。

伊藤:基本的に大きいホールっていう漠然としたところ、見た目や雰囲気はそう変わらない感じでした。

ーーでは、ちょっとした既視感もあったと。改めてライブの話題に戻りますが、今回は伊藤さんがこれまで追求してきたポップスの、良質な部分がギュッと詰まった感の強い内容だなと思っていて。例えば、前回のライブではさらに激しめな曲やバラードらしいバラードも含まれていましたが、今回は緩急を上手に付けつつも「伊藤美来ってこうだよね」という象徴的な楽曲が並ぶ構成だという印象を受けたんです。

伊藤:そう言っていただけてうれしいです。確かに今回はしっとりというよりは、どちらかというとポップで楽しい、もっと言えば美味しいみたいな(笑)、そういう明るい気持ちで帰ってもらいたいなと思ったので、幸せで可愛いめの楽曲とかが多いかなと思います。

ーーだからこそ、オープニング曲「No.6」での登場演出には度肝を抜かれました。

伊藤:ふふふ。私も本当にやるとは思わなかったです(笑)。

ーー聞くところによると、ステージ上から宙吊りで登場するという演出はライブ直前に知らされたそうですね。

伊藤:なんだか「飛ぶ」みたいなことは打ち合わせのときから言われていて、最初は「う~ん。怖かったらやめていいんですよね?」とか言っていたら、リハーサルしているときに「本当に飛びます」と言われて。こんな機会もそうそうないだろうと思って、チャレンジしました。

ーーちなみに、高いところは平気なんですか?

伊藤:すごく苦手で「もう無理、足震えちゃう!」ってことはないと思ってたんですけど、やっぱり高かったですね。思っていた倍は高かったかな。

ーーでも、そこを乗り越えると開放感もあったのでは?

伊藤:いやいや。降りるまでは怖くて何も喋れなくて、そのあとの煽りもまったくできなかったんです(笑)。そんな自分に対して、なんか笑っちゃいました。そういう意味では、すごく面白かったです(笑)。

ーーとはいえ、あの演出は「No.6」というスリリングな楽曲との相性も抜群でしたよ。

伊藤:確かに、曲にすごく合っていましたね。生きて帰ってこれてよかった(笑)。

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