伊藤美来のエンターテイナーとしての実力 映画スターやヒロインのように魅了したワンマン公演を観て

伊藤美来、ワンマンライブレポ

 昨年アーティストデビュー5周年を迎えた声優・伊藤美来。今年4月6日にはアニメ『古見さんは、コミュ症です』のOP曲でもある「青100色」をリリースするなど充実した音楽活動で注目されるなか、ワンマンライブ『伊藤美来 Live Tour 2022「What a Sauce!」』を開催した。今回は4月16日に行われた東京国際フォーラム ホールAでの最終公演の模様をレポートする。

 開演前にはオールディーズやジャズファンクといったSEが流れ別世界に誘われるような雰囲気の中、客席から高揚感と期待に満ちた空気が漂う。

伊藤美来
伊藤美来

 ダンサー4人のシルエットが映し出された紗幕が降り、フィルムのモチーフがあしらわれたステージがライトに照らされる。ダンサーが華麗に舞う中、なんと伊藤美来がステージ上空からワイヤーアクションで降臨。この驚きの登場には客席からも静かなどよめきが起こった。

 オープニングナンバーは「No.6」。ステージを大きく左右に使ったフォーメーションダンスと明るいボーカルで魅せる。青い照明の中「Shocking Blue」で熱く力強いパフォーマンスを見せたかと思えば、キュートさを全開にした「閃きハートビート」と表情を変え、勢いのある人気のアニメタイアップ曲で会場の熱量を上げた。

 ツアータイトルの『What a Sause!』について、「いろんな味のする楽曲をたくさん楽しんでもらって、お腹いっぱいになってもらえたら」と語り、「私もそろそろお腹が空いてきました」と次の曲へ。「Morning Coffee」は楽曲のストレートな魅力そのままに、きらきらとした笑顔で歌い上げられた。「Pistachio」ではダンサーがギャルソンに扮しテーブルとチェアをステージにセット。ゲストに扮したダンサーも登場し、物語の中に入り込んだようなステージとなった。カフェ風の映像をバックに、テーブルに着席して歌われた「パスタ」では、最後に本当にパスタを頬張るシーンも。「好きなものを共有できたような気がして嬉しかった」と語るとおり、自作曲を披露する喜びにあふれ、幸せそうな表情で歌う姿が印象的だった。

 次のブロックでは「気づかない?気づきたくない?」「土曜のルール」「ルージュバック」を続けて披露。かわいらしさの中にもスパイスの効いたボーカルを響かせ、クラブサウンドやシティポップをスタイリッシュに表現していく。「昔の楽曲も今ならこんな感じに表現したいとか、今の私だから歌える楽曲があったりとか」とMCで話したとおり、現在の伊藤美来だからこそできる大人のステージだ。「ルージュバック」の最後に映画のヒロインのように華麗にステージから去り、ライブの前半戦が終了。

 余韻冷めやらぬ中、インタールードに入る。華やかなソロパフォーマンスを交えながらのダンサー紹介が行われ、おしゃれなショップで様々なファッションを試着するキュートな映像を挟み、ライブは後半戦へ突入。

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