三浦風雅、音楽が大好きだと全身で伝えた温かな時間 EXシアターで迎えたツアーファイナル

三浦風雅、EXシアターワンマンレポ

 9月22日、歌手の三浦風雅が、メジャーデビュー後初となるツアー『MIURA FUGA LIVE TOUR 2022〜僕が僕でいられるように〜』を完走した。8月6日の横浜公演を皮切りに、福岡、北海道、大阪、名古屋を巡り、東京・EX THEATER ROPPONGIにて迎えたファイナル。音楽が大好きだと全身で伝えた、温かな時間をレポートしたい。

 青いライトとクラップに迎えられ、ステージに登場した三浦。メジャーデビュー曲「Start」を歌い始めると、まもなく笑顔がこぼれる。たとえ会場の片隅にいても、「自分に歌ってくれている」、そう感じられる歌を歌う人だ。ファン一人ひとりと、視線と心を交わしながら歌う姿に、歌詞が重なる。改めて、三浦風雅らしいデビュー曲だと思った。

 オープニングの勢いは止まらない。「Flower」ではファンとともにタオルを回し、クラップ。「回せ回せ、タオルを回せ」と、やんちゃな笑顔で歌う。グルーヴィなサウンドに、ギターとバイオリンのソロが華を添える「Sunshine」では、美しく響く高音に聴き惚れた。〈毎日 それなりに 色んな事があるけど〉〈どんな時も笑っていこう〉。三浦の歌声は、魔法の言葉のようだ。彼が歌うなら、きっとそうなるように思える。続く新曲「Steady」では、浮遊感のあるシンセサウンドと効果的なコーラスワークで、大人の一面を覗かせた。

 アコースティックギターの演奏に乗せて歌い始めた、この日限りの「夏空」アコースティックバージョン。サビでは、コーラスとバイオリンが重なる。過去形の歌詞が胸を刺す。時が止まったような1曲だった。「世界中にメリークリスマス」では、とたんに会場が華やぐ。つくづく、温度のある歌声だ。同曲では、ファンのクラップもサウンドの要。会場が一つになった。

 ライブ中盤、三浦がある思いを明かした。ツアーが始まり、「自分が変わってしまったのではないか」と感じていたこと。「売れなきゃダメだ」、SOLD OUTしなくてはライブをする意味がないのでは、うまくいかない、どうすればいいーー。もっと三浦風雅を知ってもらおうと、イベントにもたくさん出演した。けれど、すぐには結果に繋がらない。

 「どうしたら人が来るのか、伝わるのか」。もがいていた三浦は、バンドメンバーから「それは自分にフォーカスした考えだ」と助言を受け、初心に帰ったという。今、その胸にある思いは「一人ひとりに精一杯、歌を届けたい」。大きな拍手が起こった。キーボードの前に座り、三浦が歌い始めたのは「未来話」。ラブソングだけれど、それは確かにファンへの愛だったと思う。そして、歌手である自分について歌っているようにも聴こえた。そのまままっすぐ前を見据え、「思い出に花を添えたら」に続く。ただただ拍手を送るしかない絶唱。誓いのような、祈りのような歌だった。歌い終えての一言目は、「手、震えたぁ……」。歌い終われば年相応の人懐っこい青年だ。その素顔も、三浦が愛される所以だろう。彼は、まるで友達に対するようにファンへと話しかける。

 ペンライトが揺れるなか、歌うのは「Image」。ボーカルに呼応するようにギターラインが弾む。軽やかなサウンドにおいても、心地良いロングトーンを響かせる。「CANVAS」ではステージの端まで行き、後ろの席まで視線を送る。そうして〈綺麗じゃなくていいさ〉と歌ってくれる。はみ出すことも、うまくいかないことも、すべて受け止めて歌声にしてくれる。それが三浦風雅だと思った。

 ラストスパートの「Livin’ it up」。三浦は、全身で音楽が好きだと言っていた。「Call my name」では拳を突き上げ、深みのある声で歌い出す。「みんなで」。その言葉通り、三浦の大きな夢に向かってこれからも「みんなで」突き進もうーーそんな一体感に包まれ、ライブ本編は終了した。

三浦風雅(写真=アンザイミキ)

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