三浦風雅、どんな場所もホームにする歌声の力 多くの仲間と新たな“Start”飾ったメジャーデビュー後初ワンマン

三浦風雅、メジャデビュー後初ワンマンレポ

 2021年8月25日、三浦風雅にとってメジャデビュー後初となるワンマンライブ『MIURA FUGA Major debut showcase in Zepp Haneda』が開催された。多くのファンが待ちわびた三浦風雅の“Start”を、ここに記録しておきたい。

 定刻を少し過ぎ、ライブの幕が開いた。スクリーンには、三浦のこれまでの歩み、目標の一つであったZeppのステージへの道程が映し出される。路上ライブ時代の笑顔の写真には「支えてくれた仲間」という言葉が添えられていた。そう、この場所に集まったのは仲間。三浦にとってファンは、ともに歩く仲間なのだ。

三浦風雅

 幻想的な青いライトのなか、力いっぱいの拍手に迎えられ、三浦がステージに登場。手拍子とともに黄色いペンライトが揺れる。1曲目は「Make a Story」ーー2019年、応援してくれるファンのために書いた曲だ。三浦は、一人ひとりと目を合わせるように、語りかけるように歌う。ときに頷きながら、微笑みながら。〈だからここにいるんだ〉。オープニングのストーリーを経て、Zeppで聴いたそのワンフレーズは、胸にこみあげるものがあった。

 恋心を歌った、爽やかでポップなナンバー「サクラノキノシタデ」では、三浦の呼びかけでスタンドアップ。しっかり揃ったペンライトとクラップにファン=FUGARの絆を感じる。三浦はステージを端から端へとゆっくり歩きながら、「いいね、いい感じだね」とファンに声をかける。なんと楽しそうな表情で歌うのだろう。三浦はどんな場所も、その歌声ひとつでホームにしてしまう。

 挨拶では、こうした状況のなか足を運んでくれたファン、配信を見ているファンに改めて感謝を伝えた。「緊張している」と笑ったが、この日も声の伸びは絶好調。味はあるがクセがない、甘くて透明で、まっすぐで清い。ライブは、三浦風雅の声の魅力、音楽への愛、ファンへの愛を感じられる場所だった。

三浦風雅

 音楽人生における転機となった「100万回の「I love you」」。広い音域を要する難曲だが、高音の美しさと軽やかなスキャットに聴き惚れる。ミドルではあえて声に掠れを作り、恋焦がれる思いを深く表現。揺れるペンライトの波を、三浦は愛おしそうに見つめる。

 青と紫のライトに照らされ、大人の雰囲気でジャジーに歌い始めたのは「接吻」。ベースの響きがなんとも渋い。表情、指先まで楽曲の世界に染まり、歌いあげる三浦。ファンは自然と身体を揺らしていた。

 「拍手の音聞かせて」。友達に話しかけるような、親しみやすいMCも印象的だった。本当はバーベキューをしたい、海に行きたいと、25歳の青年らしい素顔も覗かせる。「夏空」のスタンバイでは、アコースティックギターを抱え、はにかみながら「緊張する。頑張れ自分」と、小さな声で呟いた。

三浦風雅

 「記憶」の途中、少しずつ客席のペンライトの動きが止まってゆく。三浦の歌声に圧倒されているのだと分かった。ピアノの音色が印象的な美しい楽曲だが、間奏では歪んだエレキギターが主張する。三浦の楽曲、そして歌声は、ただただ美しいだけではない。多面的で、自由であるからこそ興味深く、惹かれてしまう。

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