杏、素朴な歌声に魅了されるリスナー続出 “声のコンプレックス”が好転した独特な魅力とは?
俳優、ファッションモデルとして活躍し、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』(2013年)など数々の作品にも出演してきた杏。2021年11月からはInstagram、YouTubeチャンネルも開設。先日もYouTubeチャンネルで「フランスでの新生活に向けてパッキングをしました」と題し、フランス移住に向けた準備の模様を公開。動画内に登場する部屋の本棚には書籍がびっしり並んでおり、杏はダンボールのなかに本をどんどん詰めていったほか、『幽☆遊☆白書』のコミックスなどフランスで読むために新たに買い直したものも紹介。動画内では、ドラマや映画では見ることができない彼女のナチュラルな様子が楽しめる。
映画『耳をすませば』では杏カバーの「翼をください」が主題歌に
さまざまな一面を知ることができる杏のYouTubeチャンネルだが、なかでも人気となっているのが名曲の弾き語り動画である。
チャンネル開設初日の11月14日には、ハンバートハンバートの「長いこと待っていたんだ」(2006年)のカバーをアップ。〈子どもの頃からの夢は まさに始まったばかり〉という歌詞内容は、YouTubeという新しい表現の扉を開いた彼女自身の心境にぴったりだった。コメント欄でも好評の声が相次いだほか、「杏ちゃんこんなにいい歌声なんだ」とその歌声を初めて聴いた視聴者のコメントも見られた。
杏は2010年にカバーアルバム『LIGHTS』をリリース。同作ではKANの「愛は勝つ」(1990年)、槇原敬之の「どんなときも。」(1991年)など6曲のラブソングを歌いあげている。またラジオ番組『杏のAnytime Andante』(ニッポン放送)でも生歌のコーナーが不定期で設けられていた。そこでは、たとえばポール・マッカートニーの来日公演の際にはそれを記念して、The Beatlesの「夢の人(I’ve Just Seen A Face)」を披露するなどした。2022年10月14日公開の映画『耳をすませば』では、杏が歌う「翼をください」のカバーが主題歌にもなっている。音楽的な部分でも多才さを発揮しており、熱烈な支持をあつめている。
このように数々の曲をカバーしている杏。しかし、オリジナルのアーティストに寄せるのではなく、自分なりの節回しを大事にして歌っているところが、音楽面での好感度の高さにつながっているのではないか。YouTubeにて2月20日に更新された「パプリカ」(Foorin/2018年)でも、良い意味で朴訥とした歌い方に引き寄せられるものがあった。