SixTONES、『私立バカレア高校』から見えるグループの原点 ジャニーズJr.として築いた一時代

 本作をきっかけにSixTONES結成へと繋がるのだが、同時にジャニーズJr.ブームの発端となったと各方面で評価されていた。アイドル誌『Myojo』(集英社)2013年3月号では「ジャニーズJr.新世紀!」と題して、ジャニーズJr.内ユニットKin Kanと共にジェシーと松村が表紙を飾ったのだが、同誌の安藤拓朗編集長はインタビューで、デビュー前のJr.が表紙に登場するのは珍しいこと、そしてブームのきっかけの一つに『私立バカレア高校』を挙げた。(※1)

 同作品の植野浩之プロデューサーは、身長が高く線が細すぎない人を選んだとキャスティングに触れ、「“Jr.=かわいい”というイメージを裏切り、“かっこいい、男っぽい”という魅力が全面に出たことで、幅広い年齢層、男性にもファンを増やせた」(※2)と回顧。

 ドラマ、劇場版と展開した本作。その後も6人は“バカレア組”の愛称で親しまれ、ファンとしても作品には特別な思い入れがある。先日まで期間限定公開された『Myojo』「10000 字ロングインタビュー僕がJr.だったころ」でメンバーが語った当時の心境を知った上で視聴すると、点と点が繋がったり、クランクアップで見せた涙がさらに意味を持ったり、どうしても涙腺が緩んでしまう。

 その後、6人は2015年にSixTONESを結成、2019年にはアプリゲーム「モンスターストライク」のCMキャラクターに起用された。2020年にデビューを掴むまでの軌跡もまた平坦な道のりではなかったが、改めて「この6人」という言葉が生まれるきっかけとなった本作品。改めてその重みを感じ、これまでの6人の頑張りや踏ん張りに胸を打たれ、いまなお新たな挑戦で突き進む姿がカッコいい。

 『バカレア』から10年の月日が経った現在のSixTONESは、グループ活動と並行してドラマに舞台、映画と全員が俳優としても活躍中。当時と比較すると、発声や細やかな表情、体の動き、セリフがないときの佇まいなど、演じる役は違えど、演技にも随分と磨きがかかっている。

 こんなにもワクワクドキドキ、そして笑いに溢れる時間が待っているとは。メンバー全員が俳優としてそれぞれの作品で活躍をみせるいま、秋の実りを喜ぶように奮闘する姿を見届けたい。

※1:https://news.livedoor.com/article/detail/7565598/
※2:https://jisin.jp/entertainment/entertainment-news/1594511/

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