SixTONES、『私立バカレア高校』から見えるグループの原点 ジャニーズJr.として築いた一時代

 ドラマ『私立バカレア高校』(日本テレビ系)がTVerにて期間限定で配信されている。

 本作は2012年4月期に日本テレビ系の土曜深夜に放送された連続ドラマで、当時はまだジャニーズJr.として活動していた森本慎太郎、松村北斗、田中樹、京本大我、ジェシー、髙地優吾、現在のSixTONESのメンバーが揃って出演している。

 物語の舞台は、最凶ヤンキー高校の馬鹿田高校が、清楚なお嬢様が集まる第一カトレア学院に吸収合併されてできた第二カトレア学院。ジャニーズJr.と、AKB48のメンバーという人気キャストが生徒役を演じたことでも話題を集めた学園ドラマだ。原作は秋元康、監督は窪田崇、守屋健太郎、樹木雅彦。脚本は山浦雅大、松田裕子。当時、多数在籍するジャニーズJr.の中からこの6人が選ばれた、いわばSixTONESのはじまりの作品だ。

 荒々しいケンカのシーンで幕をあけた第1話。「うちの学校でデカい面してんじゃねぇ」と先陣を切ったのは森本が演じる桜木達也。森本は当時15歳とは思えない迫力と存在感で作品を牽引。椅子から机へとひょいと駆け上がり、敵を前に上から襲い掛かる躍動感あるアクションをやってのけた。続いて登場したのが松村が演じる浅田哲也。“最強にクールな男”がキャッチコピーで、キレと間の取り方が絶妙なアクション。あごを引いたときの鋭い眼差しがクールだ。「俺は強ぇぇ!」と叫ぶのは、田中演じる野口聡。敵を倒しながら廊下を進む姿がカッコいいのだが、敵から奪ったアイテムで思わぬ展開に。憎めない可愛さがある。

 ターバンにピアス、汚れた靴をハンカチで拭うおしゃれ男子、寺川麻耶を演じるのは京本。一見、中性的な風貌だが、内に秘めた繊細さもある“最強にキレる男”。ジェシーが演じるのはヘッドホンを首にかけたポップな雰囲気の“最強バイリンガル”里中ユウキ。髙地が演じる“最強お調子者”の神保誠とコンビを組んでいる。第2話ではユウキが自動開閉のトイレに驚き、そこへやってきた誠と共にウォシュレットの水を浴びてしまうというような、2人の愛らしいシーンも。

 本作はドラマの役柄とはいえ本人を踏襲したかのようなイメージが重なる部分もあり、10年が経過したいまでもまた違った角度から楽しめる。

 当時はメンバー全員が10代。声も若く、まだあどけなさが残る。とはいえ10代らしい軽やかな身のこなしとダンス経験者ならではのリズミカルな演技で、今となっては巻き舌でのセリフが聴けるのも貴重だ。

 ジェシーはこの作品に続いて2012年7月期放送、知念侑李主演ドラマ『スプラウト』に出演。続く『心療中-in the Room-』には田中、松村は『Piece』に続き『SHARK』に。『仮面ティーチャー』にはジェシーと京本が出演と、この時期の土曜深夜ドラマ枠を盛り上げた。

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