DEEP SQUAD、美しいハーモニー&愉快なトークで彩った夏の終わり 6人の初心を確かめ合ったオンラインライブ
LDH所属の6人組ボーカル&コーラスグループ DEEP SQUADが9月18日、東京・LDH kitchen THE TOKYO HANEDAでオンラインワンマンライブ『DEEP SQUAD SPECIAL LIVE 2022 "VIVA DEEPER!!!!!!"』を開催した。今年8月31日にリリースされた最新シングル『VIVA SUMMER!!!!!!』を携え、夏の終わりを最高のハーモニーで締め括るべく行われたこの日の夜公演をレポートする。
「DEEP SQUAD AIRLINE HANEDA 918便をご利用いただきまして誠にありがとうございます。まもなく、『DEEP SQUAD SPECIAL LIVE "VIVA DEEPER!!!!!!"』に到着のお時間です」
飛行機のジェット音とともに、こんな機内アナウンスからスタートしたこの日のライブ。抽選でチケットを購入することができたDEEP SQUADのファンクラブ「DEEP LINK」の会員が“搭乗”している会場に「VIVA SUMMER!!!!!!」のイントロが流れ始めると、テンション高いマイクパフォーマンスでオーディエンスを煽りながらメンバーが現れた。客席はもちろん準備万端で、会場は早くも一つになって最強のパーティチューンを楽しんだ。ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)エンディングテーマになった「Good Love Your Love」は、心地いいグルーヴに包まれながら自然と体が揺れるようなナンバー。続く「YOLO」では極上のボーカルとコーラスを聴かせながらも、ふとした瞬間にそれぞれの素の魅力が伝わってくるようなパフォーマンスが楽しい。6人がステップを揃えるサビも、肩の力が抜けていてとてもいいムードだ。
最初のMCでは、宇原雄飛が「夏の最後に、僕たちと皆さんで最高の思い出を作りたいと思いますので、最後まで楽しんでいってください」と挨拶。KEISEIは「僕たちは喉を枯らして、皆さんは手が腫れるくらいまで楽しんでいきましょうね!」と客席に呼びかけた。
次のセクションでは、バラードを2曲披露。まず杉山亮司が切ない表情で歌い出した「変わりゆくもの変わらないもの」は、大切な人を思う気持ちに胸が締め付けられるようなナンバー。ぎゅっと瞳を閉じて、時にはそっと胸に手を当てながら感情を表現している6人の姿が、楽曲の世界観を深めていく。DEEPの代表的なバラードでもある「君じゃない誰かなんて 〜Tejina〜」では、そこまでバラバラに立っていた6人が半円を描くように立ち位置を変え、静かに熱く歌い出す。ピアノの音色が寄り添う6人の声がどんどんエモーショナルになっていき、エンディングでは、張り裂けそうな思いを乗せたYUICHIROの素晴らしい高音のフェイクに思わず息を呑んだ。
2度目のMCではメンバーも椅子に腰掛け、視聴者からのコメントを読みながら夏の思い出トークを披露していく。TAKAはキャンピングカーのレンタルサイトを見まくっていたらしく「6人で全国まわって、ライブしたり、バーベキューしたり、川に行ったりしたら最強だなと思って調べてたら、9月18日になった(笑)」というエピソードを披露し、比嘉涼樹は「今年の夏はマジで何もなかった」とボヤきながらも「地元の沖縄にいた頃は学校帰りに海へ行ったりして青春してたけど」と振り返る。YUICHIROはあまりにも綺麗な山の星空に見惚れながら歩いていたらガードレールを体ごと越えてしまったらしく、メンバーは「いきなり視界から消えたから“終わった”と思った」「向こう側が崖だったら大変なことになってたけど芝生だった(笑)」「星を見ながら星になったらシャレにならない(笑)」と、結局は笑い話に。「実は今年の夏、ある女性を愛してしまいました」と切り出したのはKEISEI。「その人は大阪に住んでいて、旦那と、DEEP SQUADっていうグループで頑張ってる21歳くらいの息子がいて……」と話を続けると、すかさず「それ、僕のオカンです(笑)」とツッコミを入れる宇原。家族まで巻き込む茶番を繰り広げ、会場は大爆笑となっていた。
そんな6人の仲の良さが伝わってくるトークを挟みながら、ここでは事前にファンから寄せられた夏エピソードをもとに、その素敵な思い出に寄り添うような楽曲が披露された。まずは、あいみょん「マリーゴールド」のカバー。サビのアカペラから始まり、柔らかな鍵盤の音色と共に作り上げていくハーモニーは柔らかい風のようだ。「Deja Vu」ではチルなムードに包まれながら体を揺らし、杉山が作詞に参加した「夏薫風」はどこか懐かしい景色を思い出させてくれるようなメロディに酔いしれる。あれだけ爆笑していたのに、歌い出せば空気が一転。これもまた、DEEP SQUADならではの魅力だと思う。
次の楽曲「Pouring rain」は、比嘉が出演した映画『HiGH&LOW THE WORST X』の劇中歌であり、宇原、杉山、比嘉の3人だけで歌唱する初めてのオリジナルソングだ。バックには映画の映像も流れていて、繊細な歌声と美しい身のこなしで雨を表現する3人のパフォーマンスが、ドラマチックさを際立たせるような演出になっていた。
DEEPメンバー3人で披露したのは「汚れたシャツと星の夜」。ライブでこの曲を歌うのは久しぶりということだったが、歌詞だけでなく、ボーカル自体から大人の愛を感じる名曲だ。その後のMCでKEISEIが、この2曲に通じる魅力を男泣きや男歌みたいな感じだと表現していたが、それぞれの世代感もしっかり伝わってきてとても聴きごたえのある曲になっていた。しかし「僕らの世代の指輪といえば、工事現場のナットですけどね(笑)」とYUICHIROが懐かしいドラマの話題を口にしたことで、TAKAが「SAY YES」(CHAGE&ASKA)を歌い出し、KEISEIもモノマネしながら乗っかっていくという大渋滞に。自由すぎるトークで盛り上がったまま、ライブはいよいよ後半戦へと突入した。