SARUKANI『猿蟹大百科』ソロインタビュー先行公開第4弾 SO-SOが世界に通用するスタイルにたどり着くまで

 日本を代表するビートボクサー・SO-SOを中心に、RUSY・KAJI・Koheyの4人で構成されたヒューマンビートボックスクルー・SARUKANI初のオフィシャルブック『猿蟹大百科』が9月15日に発売された。

 リアルサウンドでは発売に向けて、本書の中に収められたメンバーの撮り下ろしソロカット&インタビューの一部を先行公開してきた。本日ラストを飾るのはSARUKANIの創設者兼リーダー・SO-SO。確かな実力とキャッチーなキャラクターで早くから世界で注目を集め、『Grand Beatbox Battle 2021』では史上初の5部門中4部門出場を果たすなど先人を切ってシーンで活躍する彼が、SARUKANI結成前までの歩みを語ったパートを一部ご紹介する。(編集部)

SO-SOソロインタビューの一部を先行公開

SO-SO(写真=下屋敷和文)
SO-SO(写真=下屋敷和文)

──まずはビートボックスとの出会いから振り返っていただけますか。

SO-SO:15歳くらいのときからYouTubeでHIKAKINさんやDaichiさんの動画を見ていて。HIKAKINさんの関連動画に出てきたイギリスのチャンピオン・REEPS ONEの「MOVE」を見て衝撃を受けたことがきっかけです。海外のビートボクサーの動画をYouTubeで見て真似するところから始まりました。始めてから1年後ぐらいにようやく日本でも大会があることを知って腕試しに大阪の大会に出てたんですけど、1回戦で負けました。僕は負けず嫌いなのでその大会に出た日からさらに練習量は増えました。大会に出るためには1分程度のルーティーンを何個か組まないといけないので、そのあたりからネタ作りを重点的にやるようになっていきます。

──手ごたえをつかんだブレイクスルーのタイミングはありましたか?

SO-SO:一つはエッジボイスや汽笛の音を組み込んでルーティーンを作るようになったこと。2017年の『Boice Less Festival』という高知の大会でベスト4になったり徐々に評価されるようになって。誰もやっていないことをやった方が意外性があって結果を出しやすいことがわかったのは大きかったです。もう一つはループステーションですね。誕生日に親に買ってもらったんです。海外ではエフェクトを使って音を加工してすごい音を作ってる人がたくさんいて、それに憧れて自分が日本で先駆者になろうと決めました。そこからは独学ですね。初めての国際大会は2017年のアジア大会で予選落ち。そのあと日本でもループステーションの大会が開かれるようになって、2回出て、決勝で同じ人に2回負けました。さすがに2回目は悔しすぎて涙が止まらなくて膝から崩れ落ちましたね。「絶対世界チャンピオンになるんで見といてください」と言い残して帰ったんですけど、そこから死ぬほどループステーションを練習しました。

 2018年『Beatbox Battle World Championship』ループステーション部門はワイルドカード枠に初めてエントリーして1位通過したものの本選の予選で落ちてしまって。まだ足りないのかと思いつつ、やみくもに練習するのではなく考えや戦略を立てていこうと思うようになりました。そのときから世界で通用する方法をロジカルに考えるようになって、インパクトと個性が必要だと気づき、このあたりから僕はカラフルになり始めるんですよね(笑)。

 2019年『Grand Beatbox Battle(GBB)』も印象深いです。ループステーション部門のワイルドカード枠でギリギリ6位通過して。日本人が通過したことはなかったし僕にとってGBBは一番憧れの大会。喜びすぎて熱が出て体調が悪くなってしまうほどです(笑)。1週間前くらいに前年度王者・Beatnessと戦うことを知ったので一番自信のある2曲をぶつけて5-0で勝って。そのあとはベスト4で負けたんですけど、GBBは爪痕を残して世界で名を轟かせることが目的だったので達成できてよかったです。そのあたりからちゃんとビートボクサー、アーティストとして仕事が来るようになって「俺はこれで食っていこう」と思うようになりました。今の効果音のような音を出すスタイルを確立したのはなんとなくの感覚ですけど、性格的にみんなと同じことをやるのが嫌だったので、人がやってなくて自分にしかできないことをやろうという考えはずっとありました。マリオカートをやるときもマリオを使うのが嫌で、ほねクッパとかを使うんですけど(笑)、あまのじゃくなんです。誰かと一緒が嫌。だから学校でクラスに馴染めないこともあったりしたんですけど、ビートボックスにこの性格は向いていたと思います。

この続きはSARUKANIオフィシャルブック『猿蟹大百科』にて。
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SARUKANI『猿蟹大百科』ソロインタビュー先行公開第1弾 Koheyが振り返るビートボックスとの出会いと大会での学び

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SARUKANI『猿蟹大百科』ソロインタビュー先行公開第2弾 KAJIが語るクルーでの活動から得たもの

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SARUKANI『猿蟹大百科』ソロインタビュー先行公開第3弾 RUSYの運命を変えたループステーションに対する直感

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『猿蟹大百科』帯あり

■商品情報
SARUKANIオフィシャルブック『猿蟹大百科』
サイズ:160 × 220mm
96ページ
価格:3300円(税込)
発売日:9月15日(木)
ISBN 978-4-909852-34-2
C0076

<書籍内容>
・SPECIAL PHOTO、GBB PHOTO、LIVE PHOTO
・メンバーソロインタビュー(SO-SO、RUSY、KAJI、Kohey)
・関係者が語るSARUKANI(Gene Shinozaki、Rofu、Ryosuke“Dr.R”Sakai)
・WE LOVE SARUKANI:著名人が語るSARUKANIの魅力
(香里奈、蔦谷好位置、三吉彩花、鈴木おさむ、遠藤章造(ココリコ)、ランジャタイ、田中洸希(SUPER★DRAGON)、AFRA、Daichi、OdAkEi、ずま(虹色侍)、おしら(しらスタ)、TATSUAKI)
・RUSYによるループステーション解説
・SARUKANI Fun Facts(メンバー4人が語り合う楽曲制作の裏側、年表、用語集)
など

■SARUKANI プロフィール
日本を代表するビートボクサー・SO-SOを中心に、RUSY・KAJI・Koheyの4人で構成された、口から出る音だけで楽曲を制作するビートボックスクルー。ポーランドで行われたビートボックスの世界大会『Grand Beatbox Battle 2021』ではSO-SO&RUSYによるSORRYがタッグループ部門で日本人初の世界チャンピオン、SARUKANIがクルー部門で世界2位を獲得。その他ネット発キャラクター・ブルーハムハムとのオフィシャルコラボレーションや日テレ系『スッキリ』などに出演。キャッチーでありながらも斬新で力強い彼らの楽曲は世界各国でファンを獲得している。

<SNS>
Twitter:https://twitter.com/SarukaniBeatbox
Instagram:https://www.instagram.com/sarukanibeatbox/
YouTube:https://www.youtube.com/SARUKANI
TikTok:https://www.tiktok.com/@sarukanibeatbox
LINE:SARUKANI – おさるクラブ https://line.me/R/ti/p/%40304nerns

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