日向坂46 宮田愛萌、アイドルとして貫いた“自分への厳しさと周囲への愛” 文学好き&ぶりっ子キャラで確立した不動の地位

 日向坂46の宮田愛萌が9月7日、自身のブログでグループからの卒業を発表した。体調面を大きな理由に、「これ以上メンバーのみんなに迷惑をかけたくない」という思いから卒業への意思を固めた彼女(※1)。今回は、文学好き、そしてぶりっ子キャラとして、グループで確固たる地位を築いてきた宮田の功績やキャラクターを振り返ってみたい。

 宮田愛萌は、2017年8月15日に『けやき坂46 追加メンバーオーディション』で合格が発表され、当時19歳の大学1年生で最年長の二期生として加入。オーディションのSHOWROOM最終審査で1位を獲得するほど、視聴者を虜にするトークは当初から突出しており、『欅って、書けない?』(テレビ東京系/以下、けやかけ)に初出演した際には、特技は最敬礼、趣味は神社巡り・御朱印集めだと自己紹介し、加入したてとは思えない落ち着きぶりや知的さを見せた。実際、大学卒業を報告したブログでも「神社が好きで、日本の文化が好きで、本が好きで、古典が好き」(※2)という理由から國學院大学文学部に通ったことを語り、司書の資格も取得した筋金入りの文学少女。短編小説集『最低な出会い、最高の恋』に参加したことを皮切りに、『小説現代』の特別企画「まなもの#推し本」に寄稿、さらには作家・鯨井あめと対談したり、光文社古典新訳文庫創刊15周年記念フェア「わたしの推しの光文社古典新訳文庫」の推薦者に選ばれたり、『小説宝石』の表紙を影山優佳と飾るなど、その文才や本への愛を通して日向坂46の可能性を広げていった。

 さらに、当時けやき坂46が出演した2018年の『けやかけ』お正月回で、ロシアンわさび寿司ルーレットを行った際、宮田のセクシーな寿司の食べ方が話題となり、MCの澤部佑(ハライチ)から「エロ食いの宮田」と称された。この“あざとい所作”が、後に柿崎芽実とのぶりっ子対決など名勝負にもつながり、セクシー系と可愛い系を使い分けるワンランク上のぶりっ子芸を確立。隙あらばカメラに向かい仕掛ける宮田の芸は、まさに達人技であった。

 また、SHOWROOMや『ひらがな推し』(テレビ東京系)で展開された井口眞緒とのコーナー「スナック眞緒」では、ママである井口のサポートとしてバイト役を担当。トークで暴走する先輩を軌道修正したり、ツッコミを入れるなど機転を利かせていた。このキャラクターがあったからこそ、『ひらがな推し』の「チーム対抗!! 3分リレークッキング!」で齊藤京子のエキセントリックな調理を見て、「京子さん何してんですか!」と叫ぶ名言が生まれたように思う。最近では三期生の森本茉莉と“MM姉妹”としてコンビで仕事をすることが増えているが、井口との関係性の中で宮田の新たな一面が引き出されたように、宮田が森本の面白さを引き出しており、卒業発表のブログを読む限りでも、いい師弟関係であることが伝わってくる。

 一方、オーディションの頃から丹生明里愛を爆発させていたり、今年1月22日に放送されたラジオ『まなもの部屋 with 石原夏織』(文化放送)でも石原夏織への愛が止まらなかったりと、好きなメンバーや声優のことになると、途端にトークのリミッターが外れるところも宮田ならではの魅力だ。

 ライブでも宮田らしくあざとさ全開の魅力を輝かせ、2ndシングル曲「ドレミソラシド」で自身初の二列目に選抜。歌唱に関しては初期から自信がないことを公言しつつも、けやき坂46時代の河田陽菜、濱岸ひよりとのユニット曲「割れないシャボン玉」などでは、キュートな歌声を聴かせている。

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