乃木坂46、BE:FIRST、森七菜、yama、BiSH……8月31日リリースの新譜5作をレビュー
yama『Versus the night』
2020年のヒット曲「春を告げる」で大ブレイクを果たし、新世代の歌い手の旗手として一気に知名度を上げたyama。TOOBOE提供によるシングル「桃源郷」、大木伸夫(ACIDMAN)が手がけた「世界は美しいはずなんだ」、Vaundyが作詞作曲を担当した「くびったけ」などを含む2ndアルバム『Versus the night』には、“夜”(孤独=自分との戦い)と対峙しながら、自らの歌の表現を深め、拡大してきた軌跡が刻み込まれている。特筆すべきはyama自身が初めて作詞・作曲に挑戦した「それでも僕は」。他者(社会)からの評価や視点に晒され、圧倒的なストレスを浴びながらも、それでも愛すべき音楽へと向き合い、歌い続けるーーあまりにも誠実で強烈な覚悟を反映した歌に強く心を揺さぶられてしまう。(森)
BiSH『サヨナラサラバ』
2023年の解散を発表した直後からスタートした12カ月連続リリース、その第8弾となる『サヨナラサラバ』の表題曲は、作曲:Taka(ONE OK ROCK)、作詞:KENTA(WANIMA)による楽曲。分厚いヘビィネスと怒涛のグルーヴを併せ持ったサウンド、そして生々しい感情表現とスタジアム級のスケールを同時に感じさせるメロディが押し寄せる、圧巻にして驚愕のロックナンバーだ。〈もういいよ/誰の為のそのルール/残された時間は過ぎてゆく〉に象徴される、BiSHの現状と社会の状況を色濃く反映したリリックも強烈。全身をぶつけるようなメンバーのボーカルも、ここにきてさらに凄みを増している。おそらく賛否両論ある楽曲だと思うが、最後の最後まで果敢なトライを続ける姿勢こそがこのグループの核なのだ。(森)